2012年12月5日水曜日

遅ればせながら

最近は鬱状態なので、電卓ネタを追いかけることもなかったのですが、こんなものが来年にも登場すると、先程知った次第。

Casio's touchscreen graphing calculator arrives in 2013, makes the TI-84+ look dated  -  engadget
http://www.engadget.com/2012/11/29/casio-fx-cp400/

2013年に登場する予定の、CASIOのグラフ関数電卓だそうです。今回は、タッチスクリーン採用で、キーボードを大幅に簡略化している様子。

一方、既にTIもカラー電卓を出すらしく、こんなものまであるとか。

CONFIRMED: Texas Instruments Will Release Color TI-84+ C  -  Tech Powered Math
http://www.techpoweredmath.com/confirmed-texas-instruments-release-color-ti-84/

TI-84+のカラー版みたい。これも興味深い。
CASIOのfx-CP400は海外で先行して出るという事らしく、海外では様々な情報が行き交っておりますが、中には少々批判的な記事もある様子。

Color Craze Continues: New Casio ClassPad fx-CP400  -  Tech Powered Math
http://www.techpoweredmath.com/color-casio-classpad-fx-cp400/

アメリカにしてみれば「TIがカラー電卓を出すというのに、日本のCASIOがまたやった !」という事で批判しているのか、と思いたいのですが、さて、どんなものなのでしょうか。

日本では後から発売される事になるでしょうから、早くても来年の6月くらいになったりするのか、と思います。気長に待つとしましょう。

2012年10月16日火曜日

HP35Sでt検定だッ

最近は「こんな電卓が欲しい」などと言ったボヤき記事ばかりでしたので、基本に立ち戻って、電卓の利用についての話題を。

HP35Sの数値積分能とプログラムを駆使して(?)、t検定をやってみました。統計の知識が別に入り用ですが、手頃な入門書は図書館にでも行って探してみて頂戴。


1. プログラム

D001    LBL D         //  プログラムスタート
D002    0             //  積分下限 (0からXまで積分)
D003    x<>y          //  積分区間のスタック上の順番を交換
D004    FN= E         //  積分する関数を指定
D005    intFN d X     //  数値積分
D006    RCL D         //  
D007    1             //  
D008    -             //  (df-1)
D009    2             //  
D010    /             //  (df-1)/2
D011    !             //  ((df-1)/2)! = gamma((df+1)/2)
D012    *             //  
D013    RCL D         //  
D014    2             //  
D015    /             //  df/2 
D016    1             //  
D017    -             //  (df/2-1)
D018    !             //  (df/2-1)! = gamma(df/2)
D019    /             //  
D020    pi            //  
D021    RCL D         //  
D022    *             //  
D023    sqrt x        //  sqrt(pi*df)
D024    /             //  
D025    0.5           //  
D026    x<>y          //  
D027    -             //  
D028    RTN           //  

E001    LBL E         //  積分関数
E002    RCL X         //  X について積分を行うため、Xをスタックに置く
E003    x^2           //  
E004    RCL D         //  
E005    /             //  x^2/df
E006    1             //  
E007    +             //  1+x^2/df
E008    RCL D         //  
E009    1             //  
E010    +             //  df+1
E011    2             //  
E012    /             //  (df+1)/2
E013    +/-           //  -(df+1)/2
E014    y^x           //  (1+x^2/df) ^ (-(df+1)/2)
E015    RTN           //  


2. プログラムの使い方

プログラム自体は、t分布の累積分布関数(cdf ; cumulative distribution function)について、xから∞までの範囲(=「右裾」)の値を返すものです。
あらかじめ、自由度dfをレジスタDに入れておき、スタックトップにxを置いておき、

[XEQ] D [ENTER]

とキーを押す事で、結果が得られます。

例えば、自由度10で0.5から∞までの右裾の面積を求めるには、

10 [STO] [D] 0.5 [XEQ] [D] [ENTER]

と押します。「INTEGRATING」表示のあと少々の時間を掛けて、

0.31394680  (FIX 8)

という結果が得られます。

少々手間の掛かる事ではありますが、一応t分布の計算ができました。これを使えば、簡単なt検定の作業が出来ると思います。その例をPDFにて作成しました。右の文書置き場にあります。「t-dist.pdf」を見てチョ。(SkyDriveの方はlogin不要だと思います)

35Sでのt検定はそこそこ使えそうですが、t区間推定は実用にはなりそうもありません。区間推定となると「逆計算」なので、大変時間が掛かるものと思われます。それに、HP35SではSolvreと数値積分を同時には使えないという問題があります。
Solvre部分は自前でNewton Solvreをプログラムで組む方法がありそうですが、数値積分だけでも時間が掛かってしまうため、Solvreまで使うとなると、これはもうポンポンポン(きゃりーちゃんじゃないよ)と軽快にキーを叩いて答えを出すという訳にはいかない。参ったなァ。
区間推定の場合には、TI-83+やHP50gとか、より高機能な電卓を使うのが良さそうです。

2012年9月23日日曜日

こんな電卓があれば、そこそこウケるのではないか

先日は、Sharp電卓のマニュアルに愛を感じない、という短い文章を載せましたが、これを書いてから「はた」と気付いたことがあります。

市中に表計算の需要が広まり、それに伴って高機能関数電卓にも統計計算能が採用されたのではないか、という説を述べたのですが、それが正しいかどうかは置いておきまして、PCで表計算を使うのは割合ポピュラーな作業となっている、と思われます。今どきは「なまはげ」でさえ、表計算が出来無いとアカン時代なんだとか。それほどまでに表計算の技能が普及している、のか。当方は使えないというのに。

「Excelのできる子はいねえがー」 ハローワークでなまはげの募集開始 - IT Media
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1209/11/news109.html

PCを使うのに数値入力の利便からテンキーを外付けで利用する場面もあり、昨今、電卓メーカーは「テンキー機能もついた電卓」まで出しました。電卓として計算も出来るながらも、その計算した結果をPCに渡したりなど出来るという、便利なものです。しかし、それはPCの周辺機器としては便利ではあるのですが、同時に、電卓という計算の道具からPCの周辺機器という所まで落ちてしまった、という事でもあります。電卓製品を売るという「苦肉の策」ではあり、裾野を広げるための努力ではあるのですが、こればかりでは電卓も伸び悩み。そこで、過日は「100円電卓」などという思いつきを披瀝したのですが、なかなか、おいそれとは出てきそうにありません。
一方、今度はWindows RTが登場、これにはOfficeスイートがプリインストールで、本体を買ってくればワープロ、表計算が使えてしまうとか。しかも、MSのSurfaceは下馬評でかなりの低価格。ますます、電卓製品も伸び悩みとなりかねない勢い。「MSの激安タブレデバイスごときに、電卓製品の潜在的なシェアを奪われてたまるか」

そこで、電卓メーカー様には、「こんな製品を出したら面白いんでないの ?」という提案を。それは「表計算電卓」です。
MSのSurfaceはタブレデバイスで、新しいWindows RTもタッチI/Fを採用しております。タッチI/FはiPadの例で判るように、万人に共通して使いやすいMMI/Fではありますが、一方で、本当に細かい所を作りこまないと、却って使いにくい所が出てきてしまう。例えば、電卓アプリであります。タッチ操作で軽快に使えそうな気もする一方、電卓にはやはり、ボタンが必要。その辺りがMSでも判っているのか、SurfaceのOfficeはデスクトップで動作するらしく、基本、タッチI/Fのみでは使えないとみられます。即ち、表計算では、未だにキーボードのお世話になる。なれば、今度は電卓の側で表計算を取り込んでしまえばどうか、というココロです。
デザインとしては、カラー液晶にテンキー(+一部のキー)をメインコンポーネントとします。カラー液晶はそこそこのものが欲しい。で、表計算の機能としては、たいていの表計算ソフトにある数学関数、統計関数などの機能はもちろんのこと、マクロ機能も実装して欲しいですね。文字入力はどうするのか。それは、Bluetoothキーボードを外付けにして行う、くらいの仕掛けで切り抜けましょう。USBでPCと接続して、表計算データをやり取りする機能も欲しい。
こういう製品を作れば、ポケコン・関数電卓ユーザーはもとより、金融計算などを必要とするユーザーにも需要があると思うのです。新しい、21世紀のパーソナル計算デバイス。カラー液晶とテンキー程度ですから、背広のポケットにも入りますよ。いつもポケットに持ち歩いて、いつでも表計算。マクロも使えれば、実に様々な計算も自動化出来るのです。表計算ならば金融計算はもとより、様々な工学計算、統計計算も難なくこなすでしょう。まさに、万能計算ツール。それが電卓という形で、万人の手に行き渡れば、これは計算に対するリテラシイも向上するに違いない。素晴らしいじゃないの ! 「とかくこの世は計算さぁー」と言って登場した「カシオミニ」の、「今日あり得べき形」ではないか !

面白そうでしょ、ウヒョヒョ。電卓メーカー様には、是非とも御一考の程を。

2012年9月2日日曜日

統計計算の例題から

EL-5250のマニュアルの計算例題を一部抜き出してきました。

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あるお菓子屋の100g入りクッキーの内容が表示どお
りかどうかサンプリングを6回行って調査します。

サンプル(回目)    1   2   3   4   5   6
内容量        102  95 107  93 110  98


• 「良心的」
と仮説(m=100g)としたときのt検定
値を求めます。求めたt検定値が(危険率を5%と
したときの) t 分布表の値を越えると仮説はまち
がいということになります。

結果
Tの結果はおよそ0.3です。これは危険率5%におけ
るt分布表のtの値2.571より小さいため、このお菓
子屋は「良心的」と判断することができます。

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例題が充実している事は興味深いのですが、少々端折り過ぎな気がしなくもありません。統計計算、この場合は仮説検定で、慣れている人ならばどうという事もないのでしょうが、電卓で仮説検定の計算をやるというのは、まだそれほどポピュラーではない様に思うので、こうした例題を取り上げているのは珍しく、今回、ここで取り上げてみたのでした。

統計的仮説検定の計算は、それだけ機能が充実している製品でしか扱わないというものであります。基本、正規分布は必要ですし、t分布やChi^2分布、F分布まであれば十分らしい。しかし、そうした計算を電卓スクリプトで書くとなると、少々時間が掛かってしまう。なので、電卓のファームで答え一発が理想であり、一部の高機能電卓にはそうした機能が装備されています。
おそらく、近年はExcelなどの表計算が市中でも広く使われ、電卓にも統計計算能を求める需要が少なからずあったのではないか、と思われるのですが、EL-5250もそうした電卓製品の一つなのか、と期待してしまったのですね。

しかしながら、この取説の例題は少々舌足らずな感もあります。より詳細には、こんな風になりましょうか。
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「本当なら100g入りのクッキーみたいだけど、本当に100gくらいになっているのかな ? ヨシッ、サンプルを取って調べてみよう !」
という疑義から、つぎの仮説を設定。

対立仮説 H1 ; u != 100 [g] ... 母集団の平均は100gから外れているんじゃないの ?
帰無仮説 H0 ; u == 100 [g] ... 母集団の平均は100gみたいだね (その前提を否定できる状態にはないみたい)

t検定を使うのは、母集団の分散値が不明であるため。この例では、t値を計算して、検定を行う。
t値はプログラムによって計算され、その値は t = 0.3030... を得た。
「100gから外れている」という事を調べるので、両側検定を用いる。両側危険度5% (すなわち、片側危険度 2.5%)、自由度6-1=5に於けるt分布表の値(残念な事に、この数値は電卓では得られない)は 2.571 である。
計算のt値 = 0.0303 は数表の 2.571 よりも十分に小さい。これは、母集団の平均値の分布位置であり、数表の値 (2.571)よりも大きい場合には、「そこまで平均が外れる確率が、両側危険度で5%以下であり、そうした事は起こらないとして棄却できる」という領域であるのだが、幸いにして棄却できる領域=棄却域ではないので、帰無仮説を棄却する理由はなく、帰無仮説を支持するという事になる。

最終的に帰無仮説「母集団の平均は 100 g ではない、という積極的な理由はない (95 %の確度で)」という結論に至る。

それは「良心的」という事ではなく、単純に「母集団の平均が100g程度としてもおかしいとは言えない」という程度の話である。

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この電卓の取説例題は、「取説」以上のものではないので、こうした事を知っていないと「何を計算しているのか判らない」わけです。しかし、「知らなきゃ、そういう機能は使わないんでしょ ?」みたいなノリなのか、そうした説明も少ない。これじゃ、アピールしませんよ。

このEL-5250については、もうひとつ面白い事があります。それは「t分布数表としての機能を持っていない」ということです。
おそらくは、将来出すであろう後継機などでt分布数表程度の機能を盛り込むつもりだったのかも知れません。その準備として、こういう使用例を盛り込んでしまったのか ? 上位機種に相当すると考えられるグラフ電卓「EL-9900」にはTI-83+相当の機能が用意されているので、EL-9900でこういう例題を出すというのであれば話は判るのですが、t分布数表の機能を持たない製品の取説に、何でまたこういう例題を載せてしまったのか。「統計処理に気が向いたら、上位機種のEL-9900を買ってくれるんじゃね ?」なのか。だとしたら、実に悲しい。
取説と言えども「冊子」なので、ページ数の制約とかあるのでしょう。また、製品の発売スケジュールなどから、取説の締切もあったに相違ない。しかし、この例題はどうなっているのか。却って、製品の質を貶めてしまう事にならないのか。他に、もっとアピールする所はあったのではないか。電卓製品への愛を見出せない、それが悲しい。

「将来の上位機種への布石」だとしても、現状ではEL-5250、El-9900の上位機種が出ておりません。発売からかなりの時間が過ぎておりますが、EL-9900については、ついにカタログから姿を消してしまった様子。あるいは、もうすぐ新製品が登場するのかも知れません。しかし、今のタイミングで出るようには思えないのですね。いや、もちろん出してくれたなら、それは評価したい。今月は、Sharp創業100周年との事で、エポックな電卓製品が出る可能性も無くはない。もう少し待ってみたいとは思うながらも、電卓事業などを売却してしまうカモ ? みたいな話が出てきたら、それも怪しい。100周年で身売り。大法人経営の難しさ、なのか。

そういや、Sharpの電卓カタログには「キャラクター電卓」が出ておりました。いや、この不況の御時世、何でも売上に供するのは結構な事です。エヴァにけいおん、いいじゃないスか。しかし、その横にある「島某」って、何 ? 「オヤジの星」ってことなの ? 今どき、島某をキャラクターに据えるという、このセンスもどうかしている様に思う。
島某って、イケメンだからってオンナをたらし込んで情報引き、それだけで出世したっちゅうヤツでしょ。イケメンだけど、仕事らしい仕事をしないで出世してしまった、まるで原発大臣ホソノ ! 放射能瓦礫=ホソノ汁を津々浦々に撒き散らす、ゲンパツ大臣ホソノ ! ゲンパツ大臣ホソノ ! そりゃ、イケメンでモナともやっちゃったかも知れないが、今はモナだけではなく日本中にホソノ汁を撒き散らすゲンパツ大臣ホソノ !! そうか「そんなホソノにあや雁たい」もんで、島某なのか。そんな程度の事なのか ! いや、本当は「バンダイ屋」が(ホソノの燃料棒だけに)ねじ込んで来たのかも知れない。エヴァやけいおんと「抱合せ」販売。コリャー苦しい。

本当に電卓をやるつもりなのだったら、「ホソノ汁」キャラクター電卓なんてものよりも、機能をしっかり持った製品を出して欲しいのですよ。電卓事業の開発者も、新しい製品を作りたく願っているに相違ない。新しくて面白い製品を開発して世に出したい、というのは、開発者の願いです。しかし、経営サイドは「膿を出しきる」と言ってしまった。ああ、そうか、「売却」されてしまうのでムリなのね ... 。かくなる上は、売却された先で、ビックリする様な製品を発売して欲しいものです。未だにENELOOPのブランド名が残っている様に。

2012年8月26日日曜日

予言(?)


少々、おどろおどろしいタイトルですが、御容赦を。

どうも、CASIO, Brother, EPSONあたりから、安価な(10万円以下) 3Dプリンターが登場するのではないか、と思えるのです。

早ければ年内か来年中には。出てくんないかな ?

2012年8月17日金曜日

Sharpの電卓はどこへ行くのか

シャープ エアコンやコピー機事業を売却検討(08/17 11:32) - テレ朝
http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220817020.html


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 悪化する経営の立て直しを急いでいるシャープですが、その商品は、テレビやエアコン、コピー機、そして太陽光発電システムなど多岐にわたります。そのシャープが、コピー機やエアコン事業を売却する方向で検討していることが分かりました。

 関係者によりますと、シャープが事業の売却を検討しているのは、コピー機など情報機器事業やエアコンをはじめとした空調機器事業です。シャープは今後、冷蔵庫や洗濯機などの生活家電事業や液晶パネルなどに経営資源を特化し、生き残りを図ります。シャープは主要事業が多額の赤字に陥っていて、2013年3月期の最終損益も2500億円の赤字を見込んでいます。今月2日には5000人規模の人員削減策を打ち出していますが、主力銀行からは、さらなるリストラの検討を迫られていました。
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かつて、電卓ではCASIOと並んで2強になったSharpですが、この報道の通りだとすると、電卓事業も売却、という可能性があります。

当方、以前にSharpのポケコンを買った事があり、結構愛用しておりました。機械語でチマチマとコードを書いて、ポートにつけたLEDをピコピコさせたりする実験をやった憶えがあります。CASIOのポケコンでは機械語の情報が出て来たのが一部機種のみで、大掛かりな改造などをしないと、ハードウェアをいじる、という事はなかなか出来なかったのですが、Sharpのポケコンでは、入門程度の事から出来たのですね。それが、先日まで販売されていた工業高校向けのポケコンに至っていたりするのだと思います。
所が、最近ではポケコンも流通在庫のみらしく、電卓も今ひとつ奮わない感じになっておりました。

先日来、台湾社との関係で株価が相当落ち込んできたSharpですが、いよいよ大変な事になってしまった様です。
Sharpについては「どうせ新しい電卓は出さないだろうよ」と散々罵ってきた当blogですが、それは家電などでも収益を上げている大手なので、それこそ今では片手間同様にしかやっていないかの様な電卓事業、いずれは「原隊に復帰せよ」と、そろりそろりと巻きなおしをするのか、とどこか期待しておったのです。しかし、実の所は「火の車」だった。

電卓については、既に縮小方向だった様ですが、他にも電子辞書や携帯電話・スマートフォンあたりも情報機器事業という事では、Sharpの手から離れる方向なのでしょうか。既にフィーチャーフォンの頃から「ケイタイも儲からない」と、各社は事業を統合していましたが、Sharpは独自にそこそこやってきた。今になって、身売り、とは、チョット悲しい。

台湾社との関係で、遠い将来、Sharpは全社まるごと「バルクセール」になるのか、と思っておりましたが、実際には「量り売り」になってしまった。いや、これは始まりに過ぎず、残りは更に時間を掛けて、という事かも知れません。

とは言え、リストラの末に、「製品に愛情を込められない」会社は、製品の売上が細ってしまうのですから、こうなってしまうのは道理なのかも知れない。当方は高機能関数電卓についてばかり、こうした主張をしているので偏見はある訳ですが、では、他に「これは面白そうだ」という製品があったでしょうか。液晶TVにしたって、スマートフォンにしたって、少しは売れておった様ですが、それは残存者利益に近いものであって、スマートフォンについてはSamsungがシェアを取ってしまった現状では、やはり「これは興味深い」という製品を出せなかった、そこには製品に対する愛情が欠如していたちう事になりますまいか ?

311以降は福島県周辺にはホソノ汁=放射能がぶちまけられてしまい、多くの農産物に放射能が含まれてしまった。事故があって早々、あるお豆腐屋さんは「放射能の入った大豆を使って、安心な豆腐を作ることは出来無い」と、豆腐店を廃業したという話があります。それは、豆腐に愛情があったから。しかし「放射能なんて大した事はない」という政府の方針で農産物を作っていたら、放射能がしこたま含まれてしまった多くの農家。
確かに、農家の皆さんも愛情込めて育てられた作物ですし、一見、何ともないのですから。これが売れないというのは不条理、不可解だとは思います。しかし、東電のばらまいたホソノ汁・放射能が入ってしまった。ホソノ汁は目に見えないし、一見、作物にも何らの影響もなさそうですが、サソリの毒とホソノ汁は「後で効くのよ」。そうした事が、農家の皆さんもどこかで知ってはいる筈なのですが、政府が「安全」というから、そのまま生産、出荷してしまう。首都圏の生活者はホソノ汁農産物にむしゃぶりついてしまう。これこそ「政治とは生活である」。で、長期に渡って内部被曝を起こす事になり、国民の健康は害されていく。また、一部の消費者は「放射能は心配」だから、ホソノ汁に汚染されていないと思しき農産物を買い求めるため、ホソノ汁農産物の売上は減ってしまう。いくら「愛情」を込めても、それは「オレの製品は正しいのだ」ではなく、「買ってもらいたい」という方に向いていなければ、消費者は買ってくれない、そういう事です。中国などへ果物を出荷する農家もありましたが、それは中国の人も「この果物は素晴らしい」といって買っていたのです。しかし、今日では「放射能があるからね」と、出荷しても受け入れてくれない。

「放射能なんて大した事はない、放射能が危険、というのは<放射脳>」とうそぶいておる輩が多くおります。しかし、科学・医学の現場では「これからそれを研究しよう」という段階なのです。福島を中心とした多くの人々が、長い時間を掛けて研究される。そういう状態だからエートスマンセーなんて事になる。経済は大切ではありますが、それは国民の生活があっての経済なのであって、と思っていたら、一部法人に寄与するばかりで、「放射脳」という言葉で多くの国民の健康まで搾取されてしまうこの状態は、どうなっているのか。国民総動員法。これはやはり戦時体制なのか。一部財閥だけが儲ける。バーローッ !

2012年8月3日金曜日

CASIOミニは発売40周年

世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」発売40周年記念キャンペーン
http://www.casio.co.jp/release/2012/0802_CASIOMINI_40th/

40周年キャンペーンだそうです。電卓製品のバーコードを送ると、抽選でカシオミニを模したミニチュア復刻版が400名に当たるとか。
一方、fx-5800pは、2007/12にはベンチマークレポートを掲載されておられるblog様があり、登場してかなり時間が経っているので、そろそろ後継機が登場したりしないかな ?

fx-5800pは十分高性能、多機能なので、これはこれでウレシイ製品なのですが、先日、教えてサイトに「fx-5800pの自然表記は、どうやって通常の表示にするのでせうか」みたいな質問が出ているのを見て、少々考えてしまったのですね。
この質問者は、自然表記よりも数値をすぐに知りたい、という事で、こうした質問を書いたのだと思います。確かに、関数電卓の多くは、そうした利便で使われるもの、特に実務の現場ではそうでしょう。fx-5800pの取説を見れば、キー操作で簡単に切り替えが出来、更に、モード切替を設定する事で、最初から結果を数値表示にすることも出来ます。しかし、CASIOとしては、より高機能な製品として、もっと自然表記を利用してもらいたいという「愛」から、こうした製品を開発、販売した。そこを買いたいのです。
fx-5800pはかなり機能があって、その割に思ったよりは低価格。ソフトウェア面も正規分布関数があったり、行列計算能なども充実していますが、ハードウェア面も単4乾電池1本でFlashメモリの書き換えを可能とした上、高速演算。そして、数式表記の都合にしか貢献していないとは言え、フルピクセルの液晶画面と来ているじゃないの ! プログラム機能もそこそこ充実しているらしく、この「名機」でプログラミングを楽しんでおられる方々も多くいる様子。こうした辺りを見るにつけ、fx-5800pこそは、21世紀のfx-502Pだったのか、などと思うのですよ、勝手に。
しかも、「実務のfx-502P」とは違い、これこそは計算リテラシイを向上させるべく存在するものであり、実務の現場よりも、むしろガキに与えた方がいいのではないか、などと思うのですね。それは数式教育向け、数学教育向けとして !
「ン百円関数電卓」という「世迷言」を書いた当blogではあり、そこに匿名様のコメントとして「やはりプロ電がいいですよね」という御意見を戴きましたが、fx-5800pこそは「まさにソレか」と思えるのです。思ったよりも安価に入手できる様ですし。しかし、ガキ向けとなると、もう少し機能があってほしい。それは、やはり「グラフ機能」だったりしますよ、匿名様も申しておりますが。
その昔のfx-502Pには、プログラムをCMT(カセットテープですよ !)に保存する時に、命令ワードに固有の音階を割り当てていて、「音楽再生機能」を実現したとか言います。当時の開発資源を考えたら、何という遊び心のある製品だっただろうか ! しかし、そうした製品の末裔たるfx-5800pも、実に優れた高機能製品であります。ならばこそ、これから発売されるであろう後継機種には、ゼヒともグラフィクス機能、そしてリアルタイムキー入力機能を盛り込んで欲しい、と思うのです。そういうオモロイ製品を出せば、ガキ共も買ってくれるのではないか、などと思うですが。

Akira様は「今どきのガキは、DSのBASICも買わないのではないか」と申しておりました。確かに、今のガキ共はゲームに対する審美眼は高くなっているので、こうした製品に目もくれない事はあるでしょう。しかし、昔BASICパソコン、ポケコンで育ったオヤジ共にはDSのBASICは売れているというじゃあないの。オヤジが買って面白がって使っていれば、そのガキも興味を持つかも知れない。と、そこに希望をつなぐというのだけでは余りにカナシイのですが、売れるとなれば、こうした経路も考えてみてはどうなのか、と。それが営業努力だったりするのではないか、などと思うのです。
その昔、当方がガキだった頃の話ですが、父親に簡単なおもちゃを作ってもらって、大変嬉しかった記憶があります。今日のプロ電は、そうした契機にもなりうるのではないか、と。

40周年記念で、こんなキャンペーンをやってくれるCASIO様なら、この先も電卓製品を開発、販売し続けてくれる事でしょう。そういう事で、期待してしまうのです。お願いします !!

2012年7月31日火曜日

もうすぐ「ねぶた祭り」

ねぶた祭りに特別な思い入れはないのですが、以前にJulyさんでHP35Sを買った折に、「ねぶた祭り」のうちわが一緒に入っておりました。Julyさんは、その年のねぶたに協賛していた様です。
8月の上旬には「ねぶた」だそうですが、最近は不景気なので、お祭りにお金を出そうという所も少なく、Julyさんは、今年はどうなのだろうか。最近、webページも新しい情報がない様です。Julyさんの名前と同じ7月も今日で終りですが、8月が終われば「新入学シーズン」ですから、そろそろ日本でも39gIIが出たりするのかも ?

さて一方、楽天のkoboですが、デバイスは良かったのに、電子書籍市場のプラットフォームやデスクトップソフトの出来が悪く、少々泣けてくる状態であったそうな。やはり「デバイスの低価格」は評価したい、と思います。しかし、楽天IDを取って、端末をアクティベーションしないと使えない、というのは、苦しい。アクティベーションを行うソフトに不具合があって(今は修正されているそうですが)、アクティベーション出来なかったケースがあったそうで、そこが不味い。しかし、楽天のシャチョー三木谷氏は、「そんなのは少数派の悪評」と言ってのけているとか。やはり、楽天が手掛けた事が難しいのか。ウーン。
かと言って、Amazonはどうなのか、未だ未知数です。まだ、電子書籍は普及しそうもないのか、年内は ?

2012年7月15日日曜日

三角関数を使った計算の話題

fx-5800Pの取説を見ていたら、巻末に面白い問題が出ていたので試してみました。

p116に、「直接測れない距離」という例題が出ていて、底辺 A=50 [m],左側角 C = 61°32’, 右側角 D = 49°25’ となっている三角形で、右斜辺の長さ X を求める、というものです。取説には「公式」が出ていて、

X = (A・sin C)/(sin (180 – C – D))

という式で計算し、「答 : X = 47.06613853」となっているのですが、「そういや、これって、こんな風に計算するんだっけか ?」と思い出しながら、考えたのでした。

公式自体は「正弦定理」を書きなおしたものでありましたが、そういや、こんな計算、最近はしていないよねぇ。

正弦定理は結構使われる式らしく、形が良いので憶えやすいものであります。では、これをSolvreにて使うには、どうしましょうか ?
ここでは、入力の都合から、三角形の各辺をA, B, Cとし、更に、同辺に対応する角をS, T, Uとしておきます。しかし、Solvreでは、複数の等号は使えません。仕方がないので、A, B, S, Tだけの等式を入れましょう。

A/sin(S) = B/sin(T)

これで上記の問題を解くことが出来そうです。「B」を求める事にして、A=50, S=180-61°32’-49°25’, T=61°32’ を与えればよさそう。HP35Sでやってみた所、確かに47.0661 (FIX 4)を得ました。

ついでに左斜辺も計算させてみます。同様の手続きで、40.6610 (FIX 4)が求まりました。

そういや、fx-5900Pには、内蔵公式で「ヘロンの公式」もありました。三辺の長さが得られたので、この三角形の面積も計算できます。しかし、この式をSolvreに持ってくる具合には行かないので、手でチマチマと入力してやりましょう。
ヘロンの公式では、ラージSとスモールsがあり、このために2つの表式になっております。しかし、スモールsの方は、式を見やすくするために導入された程度のものなので、スモールsを使わない表式にすれば、式自体は1本になり、Solvreでも使えます。少々面倒ですが、この程度の式は一旦記憶させてしまえば良いので、そこが数式記憶機能の利便という具合です。

S = SQRT((A+B+C)*(B+C-A)*(A+C-B)*(A+B-C)/16)

少々長ったらしいのですが、これでヘロンの定理もバッチリ使えます。計算の結果、この三角形の面積は 893.6219 [m^2]となりました。計算練習として、お試し戴きたく。

2012年7月13日金曜日

CASIO「fx-5800P」について

Akira様入手のCASIO 「fx-5800P」について、取説のPDFを見たりしました。これは、実に凄い製品だった、と、今更ながら感銘すると共に、自らの不明を恥じる所であります。CASIO様、申し訳ない、とともに、こういう面白い製品を出して戴き、有り難く感謝。

PDFなどから判る範囲でしか書けませんが、どうやら、つぎの様な製品らしいのです。

【ハードウェア】

1) 何と、単四乾電池を1本で、1年動くというじゃないの。これで内蔵Flashの書き換えまで出来るというのですから、驚きの省電力といって良いと思います。

2) しかも、それだけ省電力の割には、結構早いらしい。いくつか情報を上げておられるサイト様をみると、数値積分でかなりの速度が出ている模様。

3) そして、これは少々勿体無いのかなぁ、と思われるのは、複数行表示可能なのに、グラフィクスの機能が見当たらない所。LCDの写真を見ると、キャラクタディスプレイではなく、グラフィクスも表示可能なものらしいのですが、そのグラフィクス表示は数式の自然表示 (積分表示など)にのみ貢献している。簡単な点打ち程度のグラフィクスとかあれば、面白かったかなぁ ?

【ソフトウェア】

これが今回、fx-5900Pを取り上げる「目玉」です。

1) アセンブリ言語風ながらも、プログラムが書けて、動きます。
BASICでいう所のinput$(1)に相当する、1文字入力待ちキー取り込みがあり、かなり自由度のあるプログラムが動きそうです(アクションゲームはムリですが)。まあ、これは電卓としては積極的に使われるものではありませんが、定型業務としてアプリケーションを組み込むという用途に使われている例もあります。

2) 次に、自然表記機能
この製品の特徴として、自然数式入力・表示があります。モダンなデザインとして、割合受け入れられている様です。

3) 正規分布計算能
また、今日的な機能という点では、正規分布計算能がある所が実の所見えない特徴になっているのではないか、と思えます。長らく、関数電卓の統計機能と言えば2変数統計機能 (直線回帰分析)でした。fx-5900Pは、どちらかというとハイエンド機種なのか、これが用意されています。
少し前の電卓では、正規分布計算能は「数値積分機能で計算すればいいでしょ」という扱いでしたが、今日では、数表程度の程度でもいいから、一発で数値が求められるべき機能の一つと言ってよいものと思われます。それが、この価格の製品で実装されました。ウレシイ。

4)  行列計算能
行列計算能もあります。複素数行列も扱えるらしく、これはかなり刺激的です。連立方程式の計算機能も、この行列計算機能を利用しているらしく、かなり大きな計算も出来そうです。

5)  数値微分・積分
数値微分、積分の機能もあります。数値積分だけで十分ではないか、と思うのですが、そこはやはり「電卓」、一々、前進差分の計算をするよりも、「答え一発」で中心差分の値が得られるのは、初学者にとっても便利な機能なのではないか、と思われます。

6)  数式記憶、内蔵公式
数式記憶機能も便利です。関数電卓を実務で使用する方にはウレシイ機能でしょう。また、内蔵公式というのも「いいものではないか」と思っております。
当方、以前は「使いもしない内蔵公式なんて、役に立つんかいや。ROMの埋め草だったら、その分ファームでも充実させて、色々な機能を盛り込んでみんかい」と思っておりましたが、fx-5900Pを見て、その考えを改めました。
確かに、実務では内蔵公式を使う場面は少ないのかも知れません。しかし、それでもCASIOは内蔵数式にこだわっていた。それは、元々「実務に使ってもらう」という願いもあったのかも知れませんが、実際には「実務に向けての教育的配慮」なのか、と思うのです。
実務で使っている人は、その専門分野以外の数式に積極的に触れる事はなかなか無いでしょう。それはそれで結構な事ですが、電卓製品を出している側にしてみれば、広い専門分野に対して製品を供給している、という自負があり、様々な分野に使えるんですよ、というアピールであり、ある意味「教育」なのか、と思うのですね。ある分野ではこうした数式を使っている、他の分野ではこっちの数式。そういう知見を盛り込んでいる。そうした事が、専門分野にあっても、より知見を広げていく。知見の横断的活用。そういう事もあって、CASIOは内蔵公式にこだわりがあるのだろうか、と思えて来たのです。
内蔵公式ではなく、自前の数式を記憶させる数式記憶機能だけで十分、と思っておりましたが、「では、実際に時分で使う数式を、コチコチ入れて使っていますか ?」と言われてたら、当方の場合、そうではありませんでした。電卓使いの人の中には、そうした事を地道にやっておられる方も居られるのかも知れませんが、それというのも、実務をきちんとこなし、その道具として電卓を活用されているからであって、実務により便利に活用するとなると、独自の数式を記憶させたりなどの活用につながっていく訳ですから、「内蔵数式なんて要らないんじゃないの」となる訳ですが、実は、内蔵公式自体は、そういう取っ掛かりを提供しているのだとすればどうでしょうか。例えば、内蔵公式に必要な機能があったとしても、実務では、他に「こんな式があったら便利だな」と思う場面もあるでしょう。それを数式記憶機能で補う。そういう使い方でもいいのではないか。
という事で、fx-5900Pを見て、内蔵公式の意味を悟った訳です。もちろん、数式記憶機能があってこそ、内蔵公式が十全に活用される側面はありますが、fx-5900Pでは数式記憶機能も持っている。
惜しむらくは、数式記憶機能、内蔵公式がSolvreで使えそうもない所 (取説を流し読みした範囲では判りませんでした)。これは、その内改善されるかも知れませんが、将来の製品では採用される事を切に望む次第です。

7)  その他
最近はCASIOの電卓を使っていないので、この辺りはどうなっていたのかよく知りませんが、今回、fx-5800Pの取説を見て感激したのが、三角関数のパラメータです。昔のポケコンやグラフ電卓では、三角関数の独立変数値域が±1440 (deg)という狭い範囲でした。この範囲を超えてしまう三角関数値を計算できなかったのですが、fx-5800Pでは、実用上十分な範囲で計算できる様になっております。


【締め】

総じて、今日的デザインとなったfx-5800Pは、かなり「買い」な製品なのではないか、と思うのです。これだけの機能が詰め込まれていて、価格がかなり安い (Akira様情報では、Amazonで6500円程度とか)。モダンな機能を持った今日のプロ電という印象です。過去、ポケコンを使っていたユーザーの一部 (何故「一部」なのかというと、BASICではないからだったりするのですが)に対しては「今日(「こんにち」)、コレを買うべし」と言って良い製品です。昔のポケコンよりも高機能で、しかもより「リーズナブル」な価格。この価格にあれこれ機能を要求するのは間違いなのか、と思わせる程に高機能。いや、これが売れずして、何を買う、というくらいのもの !

もちろん、SharpやCANONの関数電卓にも、使いやすくて良い製品はあります。また、CASIOもカラーグラフ電卓という「上位機種」を出しているのですが、ここまで低価格で高機能なfx-5800Pは「隠れた逸品」だったのではないか、と思うのです (「お前が知らないだけだ、ボケ」と言われたら、グウの音も出ません。私が悪ろう御座居ました !)。また、細かい所では、色々と不満が出るかも知れません (フルピクセルのLCDなのにグラフィクス命令がない、数式記憶とSolvreの連携が利かない、三角関数、指数対数で複素数が扱えない、etc ...)。しかし、そうした部分が至らなくても、高機能、低価格は大きな魅力です。本当、コレこそは中高生などのガキ共に購入させるべき製品なのではないか、と思うのであります。

で、ここまで褒めちぎったのですが、今の所、当方はこれを買うつもりはありません。何故か。それは、同等の機能を持つ電卓を手元に抱えている割に、その活用もままならないからです。Akira様は、手持ちの製品が壊れてしまったため、急遽、代替製品として入手されたのですが、それが「当たり」だった、という事ですね。CASIOにしてもSharpにしても。しかし、当方の電卓は今の所、問題なく使えておりまして (先程、TI-83+の電源を入れたら、画面が点かないのでキモを冷やしましたが、バックアップ電池が少なくなっていたためらしく、入れ直しで復帰しました)、当面、新しい電卓は(欲しいという物欲はあるものの)「お預け」です。しかし、fx-5900Pの様な「良い」製品があった、という事で、ウキウキしてしまいました。いずれ、現有電卓の代替をという頃には、fx-5900Pや、その後継機がある、そう思うと、安心します。

2012年6月27日水曜日

何だか、新しい電卓が欲しくなっちゃった

いえね、手持ちの電卓が3台もあって、最近はロクに使っていないのではありますが、Akiraさまの所で電卓の話題を見たら、何だか欲しくなっちゃったのよ。

かつて、CANONも電卓製品の延長として面白い製品を出していたりしたんですが、今日の電卓製品の細り方といったら、これは何なのか。御手洗氏が社長に就いてからというもの、「大企業病」という事で、リストラ、リストラ。PC部門は止め、電卓も規模を縮小してしまった。まあ、不景気が祟ってきた当時は、会社の存続が最優先課題だったので、仕方のないところだったのかも知れませんが、今は一息ついたのでしょうから、もう少し面白い製品とか出してくんないかね。いや「もう電卓はやらないんだよーん」というのであれば、期待せずに済むんですけど。

Sharpも大企業病に冒されていて、もう電卓も止めてしまうのではないか、と思っていたのですが、意外に製品をコツコツと作っていた。最近は工業高校向けのポケコンは出していない様ですが、未だに電卓部門を縮小しない所を見ると、もう少しすれば新製品も出したりするのかな、などと、少し希望を持ってしまいます。

CASIOも結構元気な様です。先日はカラーグラフ電卓も販売しましたし、Akira様購入のfx-5800Pは、プロ電だというのに、単4電池1本で動くというじゃないの。これはビックリ。実売8000円くらいで、意外に面白い製品を出していたのねぇ、と興味を持ってしまいました。

最近は量販店の店頭にも行っていないので、少し物色してこようかな、なんて「仏心」を出してしまいました。もしかすると、ひょっこり「300円関数電卓」とかあったりしてね ?

ようやく日本も「電子書籍元年」 ?

AmazonのKindleが、日本サイトでも「Kin日発売予定」との事で、もうすぐ発売されるかも知れない、との事。しかし、テレ東に出たベゾス氏は「年内にやりたいねぇ」と、実際には数カ月先が「近日」なのか、と。
一方、楽天の方もいよいよ「電子書籍を始めるゾ」と言い出しました。

当方は、両方やってくれたら面白いかなぁ、などと傍観しておりますが、さて、どうなるのか。

Amazonの電子書籍、どうやら「クレカ払い」でしか買えないでしょう。すると、ガキはおいそれと買えない。楽天は判りませんが、もしかするとweb moneyとか使えるかも知れない。そして、大人情報も出ている日刊ゲンダイやおねーちゃんのグラビヤとかも売ってくれる、かも。すると、やはりガキ共のカネを収奪するには、楽天の方が優勢なのか、などと考えてしまうのです。
一方、電子書籍で考えると、Amazonの方が大量のコンテンツを供給できそうな様子。その辺りで、どんな戦いになるのか、電子書籍の関係者は固唾を飲んで見守っているのでしょう。しかし、最終的には両者とも市場を広げる事なく、最後はAppleのiTuneが一人勝ち、とかなったりするのではないか、などとも思えてしまうのですね。

よく「Amazonは外国企業なので、ここでものを買うと、その収益は外国へ行ってしまう。だから国内企業の楽天で買おう」という「愛国的」な言説があります。現状ではそうなのかも知れません。しかし、楽天もより大きくなるには「世界展開」、世界的企業となるため、既に社員には英語を強要しているとか。で、海外進出で多国籍企業ともなれば、その収益は多国籍企業なので、結果、海外に流出してしまう。これは避けられない事です。そもそも、世界展開を目指しているので、カナダの電子書籍企業Koboを買収して、事業を始めたのですから。

Amazonが勝とうが楽天が勝とうが、当方にとってはどうでもいいのです。だから、安くて使い良い電子書籍端末を出してくんないかな、どっちでもいいから。


追記 on 2012/06/30
ベゾスのバカタレ。結局、尼のKindleは「年内発売」だった様でした。今、尼のサイトを見ると「Kin日発売」のバナーは掻き消えております。近日ではなく「年内発売」ちう事です。 Win8よりも早いのか遅いのか、という時期の話。まあ、当てにはしておりませんが、では何でまた、この時期だったのか。それが怪しい ... 。

2012年6月9日土曜日

「計算遊び」から考える

中学生や小学生が見ているとは思えないのですが、もしかすると、検索で引っかかったりするかも知れません。

中学生にもなると、2乗や3乗などのべき乗の話を勉強されている事と思います。最近は苦悶式なんて学習方式もあるそうで、こうした知識はもしかすると小学生でも知っているのかも。
そうしたお子さんに「では、4の1.5乗は、いくつでしょうか」と問題を出したら面白いかな、なんて思ったのでした。

これは、100円ショップで買える程度の電卓 (もちろん、ルートは必要です)を持っていれば計算できてしまう問題です。また、知っていれば、暗算でもすぐに答えが出ます。
しかし、それを小中学生に説明するのは、少々骨が折れそうなので、ここで「試案」を出しておきます。

1) まず、4の3乗を考えてみましょう
4*4*4 = 64

2) つぎは、4の2乗
4*4 = 16

3) 4は16の「平方根」でした。平方根とは「2乗を元に戻す」、すなわち「1/2乗」の計算であると判ります
16^(1/2) = 4

4) 4^3 = 64 でしたが、64 = 2*2*2*2*2*2 = 2^6 でもあります
さらに、64 = (2*2*2) * (2*2*2) = 8*8 でもありますから、64の平方根は、8であると判ります

5) 4の3乗の平方根というのは、4の3/2乗、すなわち、4^1.5という具合です

かくして、4の1.5乗が求まりました。4^1.5 = 8 だったのです

ルートの計算を知っていれば、√(4*4*4) = 8という計算は出来ます。これで100円電卓でも4^1.5の計算は可能です。

こうした事を勉強すると「では、今度は3の3.25乗はどうなのか」などと思う、ひねくれたガキも出てくるかも知れません。これくらいならばまだ、100円電卓でも計算できます(√√(3^13))が、こういうガキが下手にルートキーなんていじってしまうと、更に「3の√3乗は ?」などという疑問に突き進んでしまうでしょう。
そうなると、関数電卓の出番です。関数電卓であれば、当面、計算については色々とやれるでしょう。

ヘンミの計算尺でも「中学生向け」というのがありました。これにはSI,TI尺、L尺があって、三角関数や対数の計算ができたものです。もちろん、本格的な計算尺に較べれば、機能は劣るものですが、それでも三角関数、対数・指数の計算は十分にこなせます。
こうしたものが、以前の日本には存在しておりました。中学生でも、三角関数や指数・対数の計算を行うかも知れない、そういう視点があったればこそ、の製品でしたが、今日では、中国のKADIOが、関数電卓で「中学生向け」を出している。しかも、海外の話とは言え、200円もしないという。

計算尺は関数電卓にその座を逐われてしまいましたが、代わりとなる関数電卓には、極端な話、ガキ向けの製品がない。いや、量販店に行けば、1000円で購入できるものがありはしますが、量販店の電卓の棚を見に行くガキなんて、そんなにいませんよ。それに、関数電卓は「プロツール」という扱いですから「ガキが使うんじゃねぇよ」というオーラがあって、なかなか、ガキでも「面白そう」と気軽に思わせる製品はないわけですね。それは、Sharpが出している「キティちゃん電卓っすよ」、「キャーッ、キャワイイーッ !」の類とは違い、機能、すなわち「何が出来るのか」を訴えて行かないとならない。ガキでも「こんな事が出来るんだ」と思えば、興味を抱く、そういうものです。それがリテラシイというものです。

一頃、CASIOは量販店の店頭で(ガキ向けの)小冊子を配布しておりました。CASIOは孤軍奮闘、リテラシイを涵養するべく、こうした事を地道に行っておりました。実に高邁な理念なのですが、ついでに「気軽に買える価格」の製品を一緒に出してくれないか、と思うので有ります。それこそ、こういう冊子を頒布し、その冊子にある問題を小遣いで買える関数電卓ですぐにでも試せる。いいじゃあないの。菓子付き玩具ならぬ「関数電卓付き小冊子」くらいのもの。

過日「100円ショップで関数電卓が売られる日」という小文を出しましたが、別に100円でなくても良いのです。しかし、近所のガキの目に触れる所に、ガキの小遣いで気軽に買える程度の価格 (200-300円程度 ?) で出してもらえないだろうか、と切に思うのです。今日ならば、そうした、ガキの小遣いでも買える程度の関数電卓が製造可能である筈です。ガキの目に触れる、という事で言えば、以前ならば、学校近くの文具店やスーパーの玩具売り場とかなのでしょうが、今日、そうした所も少なくなっていて、やはり、コンビニや100円ショップ、スーパーの文具売り場、あるいは書店とかいう事になってしまうのでしょう。そうした所に置いて、ガキの目を惹くのです ! 計算の小冊子を付けて「関数電卓付き小冊子」として !!

大して儲かるものではありませんから、メーカーとしては大変ではありますが、是非とも検討されたく。

あーあ、いつもの「電卓情報」になっちゃったよ ... 。だーれも見ていないのだろうけれども、やはり、訴えて行きたいのよ。

追記

「100の1.5乗」で検索された方が居られる様で。上記の手続きに従えば、

100^1.5 = 100^(3/2) = (√100)^3 = 10^3 = 1000

ちう事ですね、ハイ。

2012年5月27日日曜日

実は意外に使いやすかったHP50g #2

まだまだ使い切れていないHP50gの機能、今回は、Confidence Intervalについて。

Hypothesis testやConfidence Intervalの使い方や、あらましについては、はるまき様Wikiページが大変勉強になりますので、まずはそちらで使い方の基礎をおさえて戴くとしまして、この辺りを少し使うようになると、「データ列を入力して、その計算をしたい」場合が出てくるんではないか、と思うのですね。
例えば、つぎのデータ列のt区間推定(なんて恰好付けてみましたが)をやるには、どうしましょうか、という話題です。

1102 1034 1181 1087 1141 1382 1079

先ずは、[STAT]メニューを押して、[6. Conf. interval...]を選択しましょう。そして、今回のt区間推定を行うには、[5. T-INT: 1 μ..]を選択します。すると、[CONF. INT. : 1 μ, UNKNOWN σ]というタイトルのある画面になり、bar_x, Sx, n, C,と、4つのパラメタを入力できる状態になります。

HP50gの場合、これらの各種パラメタを入力してやる事で、母平均の信頼区間を計算してくれるのですが、各パラメタには数値を入れる様になっています。それをデータ列から簡単に計算して入れられたら便利です (ちなみに、TIの83+の場合、リストによって、データ列を指定して計算出来ます)。

最初は、bar_xの所が選択されていて、画面下には[EDIT][ ][HELP][ ][CANSEL][OK]とメニューが表示されています。ここで[NXT]ボタンを押して、メニューの次ページを出してみて下さい。[RESET][CALC][TYPES][ ][CANSE+][OK]という具合になります。ここで威力を発揮するのが[CALC]メニューです。[CALC]メニューボタンを押すと、bar_xの所の数値がスタックに積まれた状態になり、メニューが[STS][ ][ ][ ][CANSEL][OK]となっています。ここでは、新しいスタック状態で、計算が出来るのです。

Confidence Intervalの機能を呼び出したのに、データ入力がまだでした。そこで、今、この状態でやってしまいましょう。再び[STAT]メニューを押し、一番上の[1. Singel-var..]を選択して、1変数統計計算機能を呼び出します。[ΣDAT]の所にMatrix Writerでデータを入力しましょう。こうして入力したら、最初に欲しいのはデータの平均値だったので、[_Mean]にチェックを入れて[OK]を押します。すると、「:Mean: 1143.71429571」というタグ付き数値がスタックに積まれます。後は、タグを手で削除する手間が必要ですが、それほど面倒ではないでしょう。
そして、メニューはいぜんとして、[STS][ ][ ][ ][CANSEL][OK]となっています。これで平均値のデータは得られたので、[OK]を押します。すると、先程の[CONF. INT. : 1 μ, UNKNOWN σ]タイトルの画面に戻ります。
後、同様にSx (標準偏差。[_Std Dev]で計算)、n (データ数、ΣDATを呼び出し、SIZEでデータを調べられます)、C (信頼度。これはユーザーが必要に応じて決めるものです)をひと通り入力、[OK]を押せば、t区間推定を計算してくれる、という次第です。
なお、他のメニューを出してしまい、[STS][ ][ ][ ][CANSEL][OK]というメニューになっていなくても、[Left-Shift][ON] (=[CONT])と押せば、[STS][ ][ ][ ][CANSEL][OK]メニューに復帰します。そうしたら[OK]を押せばいいのです。

参考までに、上記データで計算させた結果を示しておきます。

bar_x: 1143.71428571
Sx: 115.006832095
n: 7
C: 0.95

----------

Critical T=±2.446912
  μ Min = 1037.351
  μ Max = 1250.078

上記データ列の平均は、およそこの区間に、0.95程度の確率でありそうだ、ちう具合です。

HP50gの各機能は余り高いものではなさそうですが、組み合わせる事で威力を発揮するもの、と言えそうです。少々手間は掛かりますが、なかなか、面白いでしょう。お試しあれ。


2012年5月6日日曜日

100円ショップで関数電卓が売られる日

100円ショップには、実に様々な製品が置かれております。中には糸ノコ、カナヅチ、半田ゴテやワイヤストリッパまであります。もちろん、それらの造りは、日本製品と比すると若干、劣る部分はある様です。
しかし、そうした製品が外国で製造され、100円ショップなどで販売されている。ここに注目なのです。
PC用の製品でも、光学式マウスやUSBカードリーダーなどあり、プリンタ用インクもあります。多くの製品は中国製で、やはり造りがゾンザイ、といわれておりますが、それでも、こうした製品が製造され、日本にも輸出されている。

戦後の日本製品は、余り造りの良いものばかりではなかったそうです。しかし、メーカーは製品改良の努力を続け、今日の「日本製品」を作り上げて来た。しかし、メーカーのシャチョーは、そこにあぐらを掻いてしまったのか、製品改良の努力を行わなくなり、更にはリストラと称して、正社員を切り捨ているなどしている。それは、「実際に手を動かして開発、製造する部分はもう、そこそこで良い。販売も、今はそれなりの日本ブランドだし、海外では努力しなくても売れるから、営業職もそんなにいらないよね」という経営判断であります。

そんな日本製品には未だ、及ばないのかも知れませんが、一所懸命に海外のメーカーも製品開発を続けている。それは、かつての日本メーカーがやっていた事であり、そうした努力の積み重ねがあってこそ、今日の日本製品があるのですが、今日の日本の大企業はそうした努力を行う方向の経営をしなくなってしまった。しかし、海外のメーカーはそうした努力を始め、これからも続けて行く。

続けるということは大変な努力です。そうして「うさぎとかめ」の話よろしく、いずれは海外のメーカーでも、より良い製品を出してくる。実際、Pomeraに使われている液晶は、中国で「電子書籍ビューワー」用の安価なものだと言います。それは大量に製造されているから安価になっているのですが、大量に製造されているというのは、中国国内を始め、大量の需要があるからです。
また、Gigazineにも出ていますが、iPhone向けの液晶パネルも、中国で製造されているパーツを独自に調達して、iPhoneの修理を行っている会社があるそうです。既にマザーボードの大手・ASUSなんかも台湾社であり、PCやAndroidマシンまで繰り出していますが、中国もハイテク製品を大量に供給している。iPhoneのFoxconnの例もありました。
今や、日本以外の外国メーカーも大量のハイテク製品を製造、供給している。

今はまだ、100円ショップでは、8桁の電卓くらいしか販売されておりません。それは、8桁の電卓カーネルが安価に製造できるからなのでしょう。ワンチップで作れる。そして、需要に応じた供給となっている。
所が、「0発明の国」インドには多くの人口があり、それが工業産業に雪崩をうって参入し、中国の人民の海も参入する。これらの国々は、教育水準もより高い必要があり、様々なIT製品を開発、製造しているのです。その一端とも言えるのは、HPの39gIIと言えます。

http://www8.hp.com/jp/ja/products/calculators/product-detail.html?oid=5154837
http://www8.hp.com/jp/ja/products/calculators/product-detail.html?oid=5160480

何が驚くと言って、ヘルプに中国語が出るんですよ。製品の主要なソフトウェアはアメリカのHPで開発しているのでしょうが、製造はSykes有限公司(中国)で行っている。39gIIは「中国にも向けて」製造されているという事で有ります (日本語は出ない ... のか)。

今は100円8桁電卓くらいしか100円ショップにはありませんが、今後は、中国やインドなどの大量の人口に訴えかけるため、数値計算のリテラシイ教育に資するべく、「100円関数電卓」なんてものが出てくるのではないか、と。
国産の関数電卓は、確かに性能は良いのですが、1000円くらいの値段です。「電卓をそこまで安くする必要はないのではないか」という意見もあるでしょう。しかし、売れないから、元をとるための価格として、現在の1000円という状態に落ち着いている。また、売られているのは量販店の店頭とか、あまり目に触れない場所ばかり。
しかし、100円ショップで100円、いや、315円でもいい、売られているとしたら、どうでしょうか。ポイポイと買い物かごに入れて、それこそ、ほかの雑多なお菓子とか一緒に「つい安いので」お買い上げ、となりはすまいか。で、子供が100円関数電卓をいじり倒して、数値計算に興味を持つ、それこそが教育の効果であると思うのです。

そんな事を、極東の島国の一角で、ロクな考えを持たない孤老が「危惧」しておるわけです。さて、どうなるんでしょうか。出たら、面白いなぁ。


2012年4月25日水曜日

御免 ! CASIOの新製品が出ていた ...

余り期待していなかったこともあり、ロクに調べておりませんで、気がついたら販売されておりましたネ、fx-CG20。

高精細なカラー画面を搭載したグラフ関数電卓 - CASIO.co.jp
http://www.casio.co.jp/release/2012/0209_fx-cg20/

これは、おみそれしました。流石はCASIO、世界に誇る日本企業 ! CASIO、バンザァーイッ !

で、何でこれを知ったのか、という、少々長いのですが、いきさつを。

いつもの様にMoHPCのForumを見ておりましたら、つぎのエントリが。

(new) Video Review: Casio fx-115ES PLUS (OT)

どうやら、CASIOの新しい関数電卓らしい。で、リンク先をみると、どうも「数式表示電卓」の新版らしい。前の版に較べて、3次式までの回帰分析能、正規分布、二項分布、ポアッソン分布の計算能がある様子。日本ではどうも、前の版に相当するのが「fx-993ES」らしいので、新版は未だらしい。
海外では、需要があるから、機能を付け足した機種も次々と出る、ちう事ですね。やはり、日本にはそういう需要がない、ちう事ですか。ウーン。でも、後で出てきたりするのかな ?

個人的には、複素数計算能に三角関数への対応を付け足し、更に、独自BASICによるプログラム機能なんかあるとウレシイのですが。配列変数もあつかえれば、プログラムで行列計算能も付けられるね。でも、やはり需要はないのだろうねぇ。

ともあれ、後になってしまいましたが、ようやくカラーグラフ電卓も販売された事で、先ずはおめでとうございます。ありがとうございます。これからも面白い製品を開発、販売して戴きたく。

2012年4月21日土曜日

耳の痛い意見


2chから

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19 :いつでもどこでも名無しさん:2012/04/20(金) 13:58:40.81 ID:???0
    >>18
    >精度とかで実用は難しいと思う。


    パソコンって知ってるか?

    今時実用で精度が必要ならパソコンって便利なものが電卓などより普及しているんだよ。
    電卓は数値が必要になったときに即手許で計算できる手軽な道具とでしか実用性は無い。
    DM15CCが精度があろうが無かろうか趣味のアクセサリーだからどーでもいい事。

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確かに、以前とは違って、PCが身近な計算の道具になって、久しい。過去には計算尺が関数電卓にとって代わり、今日では関数電卓などの計算機はPCにとって代わった。関数電卓はPCの普及によって、余り積極的には製造されていない。そして、日本の電卓メーカーは電子辞書や携帯電話などを積極的に開発する事で、電卓開発の代わりとしている、そういう事なのでしょう。
電子辞書は、毎年春先になると、割合売れている様ですから、電卓開発の知的資源を電子辞書に振り向けている。なるほど、麗しい話で有ります。電子辞書は市場があるのに、では、どうしてプログラム関数電卓は止めてしまったのか。それは、「市場がないから」という事なのでしょうが、関数電卓は、色々と機能を凝らして、まだ開発している。これは、「プログラム電卓程度のものならば、より機能の高いPCを使うだろうよ」という事で、積極的に開発をしない、という事なのでしょう。
しかし、海外に目を転じると、CASIOはせっせとグラフ電卓を出しているじゃないの。Sharpはもう、ヤル気がないらしいのでどうでもいいのですが、TIやHPも出しているグラフ電卓を、CASIOは海外では率先して出している。こういう現状を鑑みるに、「グラフ電卓は国内では売れねぇよ」と考えているから、CASIOは国内向けに出してくれないのか。それで、プログラム電卓も止めてしまったのか。

昔、といっても、20年程度前の話ですが、プログラム電卓や関数電卓は、近所のホームセンターに「プロツール」として販売されておりました。それは、様々なプロフェッショナルが使う、という事で置かれておった。大工道具や電工関連の道具と同じ扱いでしたが、しかし、今日では、そういう所にも置かれていない。PCが普及したからなのか、というと、どうもそれだけではない様な気がする。恐らく、そういう計算を必要とする職種が激減しているから、なのか。計算するだけならば、プログラム電卓を待つよりも、100円ショップでも売られている、ごく普通の電卓で事足りる、そういう事なのか、と。だから、プログラム電卓やグラフ電卓は、国内では姿を消してしまったのか。

PCは高度で大量の計算をする資源として、市民生活に普及した、だから、プログラム電卓の必要はなくなり、市場から姿を消していった。そういうことなのかも知れません。

過日、量販店の店頭で、一見した所、アラブ系の人物と思しき方が、関数電卓を物色している所を見かけました。手にとっているのは、ただの関数電卓ではなく、プログラム電卓です。
そして、日本と同程度か、それよりもPCが普及している海外の市場においても、CASIOもグラフ電卓を開発、販売している。国内はダメだが、海外では未だ売れる、だから作って販売している。国内では、プログラム電卓の代わりに電子辞書を作って販売している。

これは、CASIOにも「日本国ではプログラム電卓を使う層、リテラシイがないから売れねぇよ」と見られている、そういう事なのか、と。

ヘンミ計算尺は現在、計算尺自体の売上が激減してしまった事もあって、全く別の分野の仕事をしているそうです。それでも、特殊用途の計算尺も、細々ながら製造している。CASIOのプログラム電卓もそういうフェーズなのか。これは悲しい。
アメリカでは、中高生がグラフ電卓を授業に取り入れている所がある、とは、よく聞く話ではあります。そこで、TIやHP、CASIOもそういう市場を当てにしてグラフ電卓などを開発している。それは「将来のお客さん」にもあるからで、やはり、海外ではプログラム電卓を使うというリテラシイを植えつける事に成功している。そのため、プログラム電卓も営々と作られている。

過日、プチコン・バンザーィッ、という記事を書いた所、Akira様から「今時の子供は使わないんじゃないかなぁ」という意見を賜りました。恐らく、技術の現場に立っている方の実感なのか、と。今日では、こういったプログラミングなどの計算リテラシイを要するプロフェッショナルは、PCを使えば済む、そして、多くの市民には、そういうリテラシイは不要になっている、と。

その昔、伊武雅刀氏がポケコン「PB-100」のCMに出ておりました。あれが「プログラム電卓」の最後の輝きだったのか。

スカでバカな「老人」の繰り言となってしまいました (未だ、そんなに歳をとっているわけではないのだけれど)。だから、うなずく人は少ないでしょう。それでもいいんです、繰り言だから。

で、ここからは「逆説的」な(希望の)話。

Sharpが、「液晶販売を進める」という目的だけのため、ついにFoxconnがSharpの筆頭株主となってしまいましたネ。
今後はiPhoneやiPadに、Sharpの高精度液晶がバンバンと採用される。Appleは「より安い」高精度液晶を要求してくるので、FoxconnはSharpの尻を叩き、よりよい製品を安価に製造、供給する。iPhone、iPadは更に販売を拡大し、そこに、プログラム電卓などのアプリケーションも様々開発され、盛りつけられていく。あるいは、FoxconnがSharpの液晶を使ったプログラム電卓でも独自に製造するのか。これが、これからの「プログラム電卓」像なのかも知れない。

2012年4月8日日曜日

two results of forms by 35S

First, calculate the form by 35S :

2.5^3^4 = ?

In RPN ;
3 [Enter] 4 [y^x] 2.5 [x<>Y] [y^x]  ...  returns 1.7106 E 32 (Fix 4)

calcs : 2.5^(3^4) = 2.5^81 = 1.7106 E 32

In ALG (EQN) ;
2.5^3^4 ... returns 59604.6448 (Fix 4)

calcs : (2.5^3)^4 = 2.5^(3*4) = 2.5^12 = 59604.6448

TI-83+ also returns 2.5^3^4 = (2.5^3)^4 = 2.5^12 = 59604.64478
but HP50g returns 2.5^3^4 = 2.5^(3^4) = 2.5^81 = 1.710569411446 E 32


Julyさん、15C LEのマニュアルを単品販売中

HP 15c 関数電卓の日本語マニュアル単体 - July
http://www.july.co.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=561

なんだそうです。こんな調子に、50gのマニュアル冊子の日本語版も出して欲しいなァ ... 。

2012年4月6日金曜日

HP35Sで頭の体操

2chに、こんな式が出ていたので、35Sで計算してみました。

20000*(1+0.06/360)^(360/30)^(3*(1+0.06/360))

手動計算のキーストローク

0.06 [ENTER] 360 [/] 1 [+] 3 [*]
360 [ENTER] 30 [/] [x<>y] [y^x]
0.06 [ENTER] 360 [/] 1 [+] [x<>y] [y^x]
20000 [*]

ans. 26684.0578 (Fix 4)

でも、EQNで式を入れて計算すると、違う値になってしまうのヨ。何でかねぇ ?


追記 on 2012/04/07

EQNで式を入れて計算すると、その結果が違ってくる件ですが、どうも、計算式をつぎの様に解釈しているから、らしいのです。

20000* ((1+0.06/360)^(360/30)) ^ (3*(1+0.06/360))

本来ならば、つぎの様にしないとならないのですけれどネ。

20000* (1+0.06/360) ^ ((360/30)^(3*(1+0.06/360)))


2012年3月10日土曜日

HP39gIIは、とても早いらしい

久方ぶりのネタです。誰も見ていないかな ?

MoHPCのフォーラムに、欧州でHP39gIIが買えるらしいよ、みたいな話題が出ておりました。

Order HP39GII in Europe - MoHPC Forum
http://www.hpmuseum.org/cgi-sys/cgiwrap/hpmuseum/forum.cgi?read=213772#213772

何でも、既に「In Store」となっているような様子。ショップの動画で見る所、やたらと早い描画速度。ウーン。結構価格も安い様子で、70ユーロ = 7562.62867 円となっております。このハードで50gの後継が出ないかなぁ。キショーッ、早う出やがれ !

これだけでは短いので、50gユーザーの皆様え、コネタ。

HP 50g Hidden Tetris Game - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=tXrbjsaxO0k

2.15ファームでも動きましたよ。知っている人、多いのかな ?

2012年1月23日月曜日

実は意外に使いやすかったHP50g

今更、と言われそうですが、実は当方、HP50gで回帰分析を行ったあと、グラフを描くことを余り積極的に行っていなかったのですね。何故か。そのままグラフ作成機能を呼び出して、すんなりとグラフが描けないんじゃないか、と思っていました。
しかし、それは杞憂というやつでして、実はちょっとした手間で(直線)回帰分析データのグラフを描けるのでした。いや、ここまで簡単だったとは。
  1. まず、STATメニューで直線回帰を呼び出し、データをポコポコと入れ、回帰分析を実行します。分析が終わると、回帰式、相関係数、共分散(だったかな ?)の順に、結果がスタックに積まれます。
  2. つぎに、3段目にある回帰式を EQ に入れてやります。 3 PICK 'EQ' STO と打ち込む。あるいは、スタック操作で3段目を呼び出して'EQ'に入れる。
  3. そうしたら、WINメニューで適当な描図域を指定するなどして、グラフを描けばいいのです。
判ってしまえば実に簡単。流れ作業でグラフも描けてしまいます。
回帰分析に使うデータから、最大、最小値を調べて、描図域に指定するプログラムを作ってもいいですね。しかし、そこまでせずとも簡単に操作できるので、お試しあれ。

ちなみに、何でこんなことを今更の様に書いているのか、と申しますと、AFH (Advanced Function Handbook)を読めばいいや、と思って(思っているだけで読んではいない)、マニュアルをおそろかにしていたのでした。しかし「これではアカン直人になってしまう」と思えてきたので、少しだけ眺めてみたのですが、これが、流石にマニュアルというだけの事はありまして、使いこなしに便利な情報が書かれているのです (当たり前と言われればそれまでですが)。皆さんも辞書を片手にヒーヒー言いながら(と言っているのは当方だけか ?)読んでみてはいかがでしょうか。

2012年1月15日日曜日

「既に終わっておりましたが」という記事でしたが

【訂正】 その後、状況が変化した様で、今は予約が行われています。

 【予約 1月下旬入荷】 HP 15c 関数電卓 復刻版 限定モデル - Julyさん
 http://www.july.co.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=15_41&products_id=558


以下、元記事。
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6回目の受付後、キャンセル待ちを申し込むしかなかったHP 15C LEですが、既に「7回目」の受付が行われていた模様です。

【予約】(第7回入荷分) HP 15c 関数電卓 復刻版 限定モデル - Julyさん
http://www.july.co.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=15_41&products_id=558

6回目までで予約終了なのかと思っておりましたが、その後、キャンセル待ちの受付をして、今度は「7回目」となっていました。但し、この7回目は既に「受付終了」との事で、今はどうしようもありません。
とは言え、「キャンセル待ち」ではないので、もしかすると「次」があるのかも ?

Samson cableでも在庫が入った様で、こんな記述があります。
http://www.samsoncables.com/catalog/prodDetail.cfm?Prod_ID=434&Sku=HP15C

Update 01/09/2012: Still in stock! These are units from the December 2011 that have received extra quality checks by HP.

「extra quality checks by HP」、って、f,gキーのぐらつき対策なのでしょうか。

一方、これだけ引き合いが来ているので、今度はLimited Edではない15Cが登場する可能性もあるのかも知れません。

また、一頃見られなくなっていた英語の電卓ページには、再び「20S」が登場しています。

HP 20s Scientific Calculator (20S)
http://www8.hp.com/us/en/products/calculators/product-detail.html?oid=34772

但し、画像も何もないページなので、どんなものなのかも判りません。過去に20Sという製品があり、統計機能に特化した製品だったそうです。何でそんなものを ? と思うのですが、何かしらHPには事情があるのでしょう。それよりも、39gIIの方が先に出てくるのかも。

今回の15C LEは、夏休暇の後に登場しています。これは学生向けではなく「コレクター向け」だったからなのですが、こうして電卓新製品が「欧米の新学期向けに登場」という慣例が破られると、39gIIや20S、そしてLEではない15C、16Cも、近い将来に登場するのかな、などと思えてくるのですが、さてどうなのでしょうか。

2012年1月10日火曜日

未だ、HP 16Cは出そうもありませんが

既に、HP15C LEを入手して利用されておられる方もいらっしゃる事でしょう。
しかし、15Cの再販は今の所、話もありません。また、中には16Cの復刻を期待する方もいるかも知れませんが、それも今の所はなさそうです。
HPでは当面、その動きはないのでしょうが、以前に15Cのクローンを製造するというプロジェクトがあるというので、見てみました。

DM-15CC a real HP-15C clone
http://www.rpn-calc.ch/

当方、誤解していたのですが、このwebページはどうも、スイスのものの様です。
このプロジェクトでは、いよいよ15Cの名刺大クローン電卓「DM-15CC」を製造、既に出荷している様子です。
当初、15Cと同じ寸法を計画していましたが、15C LEが登場するというので、大きさを名刺大に変更しました。写真でみると、かなり興味深い。

で、このプロジェクトでは「a DM-16CC will be next ... 」と、気になる文を掲げています。16Cを期待されている向きは、どうでしょうか。 15Cの方は「which should be by the end of January 2012」と書かれているので、急いだ方がいいのかも ... ?

2012年1月7日土曜日

NECの新しいAndroid製品は、出るのか ?

昨年末はKingJimの「Pomera dm100」が話題になりましたが、一方で、NECのAndroid製品「LifeTouch Note」は値崩れを起こして、結果的にかなり売れた様です。

NECとしては不本意な売り上げになったのでしょうが、値段が下がった事もあって、キーボード付きAndroid端末という製品そのものは、確かに需要があったと確認されたのでした。実際、当方としても欲しいのよ。
そのLifeTouch Noteですが、昨年のCES (Consumer Elecrtonics Show)にてコソーリ展示され、一部でそれが伝えられました。その当時は「モバギロイド」なる呼称も出て、話題となったものですが、2011/03/10に発売された当初は割合売れていたものの、その後は余り売り上げが伸びなかったのか、今日ではやたらと安くなってしまった。しかし、価格下落もあって、かなり売れている模様です。

LifeTouch Noteの発売以降、キーボード付きAndroid製品は、数こそ出てはいないものの、ある程度の需要はあるらしく、ASUSは「Tranformer」シリーズを出しています。LifeTouch Noteに先駆けては、Toshibaの「Dynabook AZ」を出していました。
キーボード付きAndroid製品は、「今こそ投入の時期なのではないか」と思うのです。

AndroidのICSでは、タブレット向けと携帯向けの機能が統合されているとかで、NECの寄贈したキーボードまわりのソフトウェアなども、十分に活かされているものと思われます。そうした成果があるので、ASUSもキーボードファクターのAndroid製品を販売しているのではないか。ならばこそ、日本メーカーからも、キーボードAndroidがもっと登場していいのではないでしょうか。

しかし、CES直前になったというのに、そうした話題を聞きません。
とは言え、昨年もNECはCESにてコソーリ出展だった一方、市場に投入したのは大変に早かった。もしかすると、今度のCESでも同じ様にやってくれるのではないのか、と密かに期待しているのですね。「LifeTouch Note 2」、登場間近なのか、と ! (勝手な言い分です)

CESで、NECはつぎの展示を行うとしています。

NEC to Exhibit at CES 2012 - NEC.com
http://www.nec.co.jp/press/en/1112/2104.html#04

このプレスリリースの中に、つぎの項目があります。

Thin client demonstration of Android based terminals for business use and NEC's Virtual Desktop Infrastructure System (reference exhibit)

あるいは、ここにも書かれていない「新製品」が出るのか、それはCESが開催されないと判りません。

さーて、何が出るのでしょうか。

2012年1月1日日曜日

迎春

昨年は大震災、原発震災もありました。

今年は良い年であります様。

先ずは御挨拶。