2016年10月30日日曜日

fx-5800Pの入出力の研究が始まっております

AkSd 様が、fx-5800Pのシリアルポートの調査を始めております。

「関数電卓ファン掲示板」
http://scicalcfan.bbs.fc2.com/

先ずは、シリアルポートをロジアナで調べ、どういったプロトコルになっているのか、現状はそこを調べておられます。

ここが明らかになれば、fx-5800PのプログラムをPCに保存出来たりするのですが、まだ、詳細が明らかになっておりません。

気になる向きは、上記に掲示板に参加され度候。


2016年10月10日月曜日

HPGCCでこんなコードを書いた

こんなの。
(MSのOne driveのリンクです)


HP50Gで動くアニメーションのコードです。

暇があったら試して丁髷。

2016年9月23日金曜日

懸垂線、再び

以前、当blogで、関数電卓に付き物の双曲線関数の使用例で、懸垂線の計算について調べたネタをアップしました。

懸垂線は、紐や鎖の両端を持ってタラリと垂らすと、その紐なり鎖なりが描く曲線なんだそうです。数式では、つぎの式で示されます。

y = a * cosh(x/a)

HP35SのTraining modules には、懸垂線の計算例が紹介されておりましたが、紐の両端を持つ、その高さが等しい例でした。
しかし、紐をタラリと垂らすとなれば、その両端の高度が違う場合もありましょうや。
そこで両端の高度が異なる場合、懸垂線のパラメタ (カテナリ数と極点x座標)の数値を求める方法を調べてみようと思います。

懸垂線は、紐の両端の高度が異なっても、同じ式で表現されると言います。
両端の高度が異なる懸垂線は、煎じ詰めるとつぎの数値で決定される、として良いでしょう。

  • 紐の片方の端を原点とし、もう片方の端を「吊り下げ点」として、吊り下げ点の座標(D, H)を与える
  • また、紐の長さ L を指定する
こうすれば、懸垂線のパラメタは一意に決定されそうです。これら3つのパラメタ、H, D, L を指定すれば、懸垂線のパラメタである a (カテナリ数), x (極点x座標)が決定され、懸垂線自体が決定できるだろうというハラです。
コチャコチャと計算すると、D, H, Lからa, xを決定する方程式は、つぎの2本である事が判ります。

a*(sinh(x/a)+sinh((D-x)/a)-L = 0
a*(cosh((D-x)/a)-cosh(x/a))=H = 0

非線形の連立方程式です。解析的に解けるんかいや ?
大変難しそうで、当方の知見は及びません。しかし、高機能電卓の一部には、数値解を計算する機能を持ち合わせているものがあります。そう、HP PrimeやHP50Gが、まさにソレなのです ! (もちろん他にもありますが、当blogはHP電卓の情報発信を任じておりますので)。

HP50Gでは、つぎの様にします。

  1. D, H, L に数値をストアします
  2. つぎの通り、スタックに配します

  3. [ 'A*(SINH(X/A)+SINH((D-X)/A)-L=0' 'A*(COSH((D-X)/A)-COSH(X/A))=H=0' ]
    [ 'A' 'X' ]
    [ 10 10 ]
     
  4. MSLVを実行
最後にスタックに積んだ [ 10 10 ] は、数値解を求めるための「初期値」で、未知数A, X に対応します。この例ではA=!0, X=10 としましたが、D, H, Lとの兼ね合いから、適切な値を指定しないと数値解が得られない事もあります。

例として、つぎの場合を計算させてみましょう。

入力  D=35, H=18, L=44

結果  A=19.0231959735, X=9.23406136377

HP Primeの場合は、もっと楽 ?

「解く」アプリを呼び出し、つぎの様に数式を入れます。


そして、[Num」キーを押して、D, H, Lに数値を設定、チェックボックスのチェックを外し、A, Xを求めるので、A, Xのチェックボックスにはチェックを入れたままにして、スクリーンキー右端の「解く」を押します。



答え。


エミュレータでは、瞬時に値を得られましたが、実機では若干、時間がかかるでしょうか。それでも、50Gよりは断然早いものと思われます。

2016年7月30日土曜日

ロシヤからのアクセスが急増中です

今回は電卓ネタではありません。

理由は不明ながらも、ロシヤからのアクセスが急増しております。
何で ?


2016年7月12日火曜日

電卓による母比率計算の例

先般、参議院議員選挙が行われ、改憲勢力が2/3を獲得したとの事で「平和憲法サヨウナラ」となる事が決まりました。

マスコミはこぞって「出口調査の結果に拠りますと」と述べておりますが、統計学の教える所に拠りますと、偏りのない標本集団を得られれば、母集団の比率が推測できるのだと言います。
HP50GやHP Prime、TI-83+には、母比率の推定機能が盛り込まれているので、手のひらで計算する事が出来ます。

例えば、標本数n=320の内、あるカテゴリの数がx=170だった、として、母集団における、あるカテゴリの割合=母比率がどのくらいになるのか、計算できるのです。
標本集団における、あるカテゴリの比率はx/n = 0.53125 ですが、これは標本集団の比率であります。
標本集団の標本数を十分大きく取る事で、標本比率は正規分布に近付いていく、という難しい理屈(「中心極限定理」)があるのだそうですが、電卓の機能は、そうした背景を以って構成されているので、単純に数値を入力してやれば、立ちどころに答が得られます。
しかし、背景となる理屈の詳細までは知らずとも、ある程度の知識を持っていないと、その答えを吟味する事は難しいものです。
母集団から一部の標本を抽出し標本比率を計算すると、その標本比率は、やはり正規分布をする、のだそうです。
標本比率の分布する範囲は、正規分布となるため、例えば95%程度の確度で、この範囲に存在する、という結果が得られる事になります。

n=320, x=170の例で、確度=0.95 (95%)の分布範囲は、0.4765744 〜 0.5859256 の範囲、という結果が返ってきます。

実際に、HP Primeでやってみましょう。

[Apps] -> [推論] とキーを押して、つぎの情報を選択します。
  • 方式 : 信頼区間
  • タイプ: Z-Int: 1 π

[Num]キー押下、次の数値を入力します。
  • x:170
  • n:320
  • C:0.95

これで計算の準備が出来ました。つぎの選択肢があります。
  • [計算]メニューキーを押下すると、結果ウィンドウで表計算っぽい結果が得られます
  • [Plot]キーを押下すると、正規分布グラフと共に結果が表示されます

Plotキーを押してグラフを表示した例

2016年6月20日月曜日

HP Prime Virtual calcの新版があるらしいが


ftp://ftp.hp.com/pub/calculators/Prime/

ここを見ると、新しいタイムスタンプのファイルがありますが、ファイル名が「去年」です。
しかし、念の為、アップデートを行ってみました。先ずは、仮想電卓を動かして更新を掛けますが ... ダメ。
そこで、ファイルをダウンロードして実行してみますが ... 「新しいバージョンがインストール済み」と出て、失敗します。
ウーン、どうなっておるのか !?

どうやら、日付を間違えて設定されているのではなかろうか ? 近々、修正されてアップされるのではないか、と密かに期待します。

2016年6月11日土曜日

「ぼくのかんがえた、さいきょうの高機能電卓」(途中から漢字になってスマソ)と言うか、こんな高機能電卓があったら面白かろうと思うのヨ


CASIO fx-5800Pは、名機の誉れ高い高機能電卓です。

  • 単4電池で充分に長く動作します
  • 高機能電卓として十分な広さの画面
  • 使いやすいCASIO BASIC言語
など、など

プロ電が少なくなってしまった今日に至るも永らく販売されておりますが、一方、惜しい点もあります。

  • ヒンジが弱い
  • プログラムを外部に保存しにくい
プログラムを保存するには、同じfx-5800Pとケーブルで接続し、内容をコピーするしかなく、そのため、PCなどでプログラムを作成してfx-5800Pに流し込むなどの操作が出来ないのが惜しい所。

また、カバーのヒンジが弱く、ちょっとした力の入れ具合で折れてしまうのも残念ポイントとなってしまった。

元々、ヒンジでカバーを付けたのは、ちょっとした文書を書き留めた「手帳」の様なデザインだったのではないか。
公式集なりを持っていて、いつでも利用できるというイメージだった。
しかし、凝った作りである一方、壊れやすい事から、今日では「改善を望む点」になってしまった。

fx-5800Pが登場した当時、これらの問題点は余り問題にはならなかった点でしょうが、永く販売を続けている内に、今日的には明確な欠点として浮かび上がって来ております。

ヒンジの問題は、ケースを改善するだけで解決するでしょう。
すると、もうひとつの問題点「プログラムの保存と復帰に、別のfx-5800Pが必要」という点を、改善して欲しいと思うのです。

今日、PCは安価となり、USBポートで様々な機器と接続するのが当たり前になっております。
高機能電卓とPCを接続して、PCで編集したソースコードを高機能電卓に流しこむ、となると、プログラムのバックアップも容易になります。

ここまでは「eGadget」の やす親分様も強く提唱されております。
ここからはオリジナル、当方の思いを。

今日の高機能電卓には、数値Solverが当たり前になりつつあります。いや、当方としては「Solvreこそが高機能電卓にゼヒとも欲しいモノ」と言いたい。

この数値Solverを、BASIC言語から簡単に呼び出せる様にしてもらいたい。すると、今までファームウェア内に収蔵されていた「公式集」は、Solvreアプリケーションとして実装する事が出来る様になるはずです。
こうする事で、公式集の追加、改変もユーザーが行える様になります。更に、不要なものは一時的にPCなどにバックアップを取り、電卓内の空き容量を稼ぐ事も出来るでしょう。

Solvreだけで色々なアプリケーションを書けるわけではありませんから、プログラミング言語は「必須」であります。
更に、BASIC言語に「スタック」のメカがあると、面白いものになりましょうや。
Solver機能とのデータのやり取りにスタックを用いるのです。
BASICで記述したアプリケーションから、スタックを介してSolvreに値を設定して実行。簡単にSolvreアプリケーションが構成できるという次第です。
また、スタックのメカがあると、サブルーチンを再帰的に呼び出すなんて事も出来ます (ただ、そのためにはスタックを十分 - 1000段程度は欲しい)。
ちなみに「C:BASIC」では局所変数のメカを導入しようと検討されているそうで、 面白い事になっております。

そんでもって、Solvreを使うにあたって、電卓I/Fを活かすメニューAPIもあるとウレシイ。
HP42Sのエミュレータである「Free42」を使うと解りますが、HP42Sには変数をメニュー風に入力するために使う「MVAR」という命令があり、プログラム中で使う事で、簡易なメニューシステムを構成できます。
もちろん、プログラムでメニューシステムを構成する事は悪い事ではないのですが、プログラム領域の容量を喰ってしまい、勿体ない。

Solvre,メニューシステムから、高機能電卓を考えてみました。
この先、新しい高機能電卓にどんなものが出るのか、色々と夢想するのですが、果たしてメーカー様は、応えてくれるのでしょうか ?


2016年4月22日金曜日

速報・HP Prime仮想電卓の新バージョン


New Version: 2016.04.14 r10077 - MoHPC
http://www.hpmuseum.org/forum/thread-6085.html

という訳で、仮想電卓の新版も出ている様です。
しかし、仮想電卓を動かしても、アップデートされる気配がありません。ftpのファイル置き場を覗いたら、どうも新旧2つのファイルがあり、アップデータが混乱しているのか ?

ftp://ftp.hp.com/pub/calculators/Prime/

2016年4月21日木曜日

高機能電卓と電子辞書

Sharpの経営再建の成り行きがどうなるのか、未だ結果が見えてきませんが、電卓戦争の2強であるCASIO, Sharpが、同じく2強になってしまった製品分野に「電子辞書」があります。

電子辞書は、新入学などの時期に、それなりに売上を伸ばしている様で,先ずは目出度いのですが、一方,高機能電卓の方は、なかなか苦しいのか ?
近年は関数電卓も「ナントカ試験対応電卓」という「電子計算尺」ばかりであり、高機能電卓は余り出ておりません。
電子計算尺も重要ではありますが、更に、高機能電卓も充実して欲しく思うのです。

電子計算尺ならば、「ナントカ試験」にも持ち込めるというのは判ります。プログラミング機能は「あんちょく」も仕込めるので、こうした試験に持ち込みは出来ませんからネ。
スマートウォッチの登場で、試験会場に腕時計の持ち込みまで制限する大学も出現したといいます。腕時計すら持ち込めない試験会場、って、スゴイですが。
なるほど、こうした試験では、高機能電卓などは「以ての外」なのは仕方の無い所。電子辞書も「試験に持ち込み出来ませんヨ」。

それでも電子辞書はそれなりに売上を伸ばしている。
ならば、高機能電卓ももっと売れてイイ筈なのですヨ、と言いたい。
実際、CASIOも海外の教育向け市場に向けてClassPad fx-CP400の様な製品を出して居るわけです。では、何で日本で売らないのか、と。

2016年3月23日水曜日

「電卓を活用しよう」の御紹介

当方の所へ検索で訪れる方も多いと思います。
多くは高機能電卓の追っかけ情報だったりしますが、中には、電卓計算の疑問というか手順というか、電卓の活用についての疑問を探しに来られる方もおります。

特に関数電卓ではない普通の電卓でも、色々な計算が出来るのですが、当方などは高機能電卓にかまけてばかりで、電卓の威力、底力を忘れてしまったのですが、藤堂様作成のつぎの文書は、電卓に初めて触れた時の感激を思い起こさせました。

藤堂俊介 様・作「電卓を活用しよう」
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=manga&illust_id=55948675

普通の電卓でも、丁寧に作業すれば実に様々な問題を解決するための道具となります。

CASIOは以前、関数電卓の販促物として小冊子を店頭にて配布しておりましたが、内容は藤堂様の文書の方がずっと「濃い」ものです。
こうした面白い文書を無償で公開された藤堂様には改めて感謝し、心ある電卓メーカーはこの文書を買い上げ、小冊子にして店頭でバラ撒くくらいの事を期待したく、と思う所ではあります。

2016年3月16日水曜日

小数点数の2進数表現

今回も、どちらかというと中高生向けのネタです。

ここで「小数点数」と書きましたが、単純に小数点を含む数値の事です。

ex.
1.32, √2 = 1.41421356 ... , π = 3.1415926 ...

これらの数値は10進数にて書くのが当たり前でありますが、理屈の上では2進数でも書けなくはありませんよネ。
関数電卓の基数変換機能を使って、これら小数点数の基数を変えた表現がどうなるのか、チョット調べてみようと思った次第です。

関数電卓の基数変換機能ですが、通常はIntegerでしか扱えませんから、小数点数の表記を求めるには、少し工夫が必要です。
基本的な考えとしては「小数点を取り除くために基数倍する」のです。

1.32 を例に取ります。まず、基数倍、この場合では10進数表記なので10倍します。すると、1.32 * 10 = 13.2になります。更に10倍すれば 132 となって、見事、小数点を取り除くことに成功しました。

「基数が10の場合には、10倍の手続きを必要な回数繰り返す事で小数点を取り除く事が出来る」という事は、
「基数が2の場合には、2倍の手続きを必要な回数繰り返す事で小数点を取り除く事が出来そう」ですネ !
では、やってみましょう !

今度も、1.32 を例にしてみます。2進数表現でどうなるのかを調べるのですが、その為に、2倍、2倍の手続きを繰り返します。
1.      1.32 * 2 =     2.64
2.      2.64 * 2 =     5.28
3.      5.38 * 2 =    10.56
4.     10.56 * 2 =    21.12
5.     21.12 * 2 =    42.24
6.     42.24 * 2 =    84.48
7.     84.48 * 2 =   168.96
8.    168.96 * 2 =   337.92
9.    337.92 * 2 =   675.84
10.   675.84 * 2 =  1351.68
11.  1351.68 * 2 =  2703.36
12.  2703.36 * 2 =  5406.72
13.  5406.72 * 2 = 10813.44
14. 10813.44 * 2 = 21626.88
ああ、面倒くさ。「もういいでしょう」

で、こうして得られた数をどうするか。まず、小数点以下を切り捨ててしまいます (ああ、もったいない !)。
そして、関数電卓の基数変換機能で表示を変えてみるのです。

101010001111010

という表示が得られる筈です。
これは、2を14回、掛け合わせた数値であり、2進数表現において2を掛けるという事は「1桁倍した」という事でありますから、14回だけ小数点を左へずらす事で、本来の数値になる勘定です。

1.01010001111010

こうして得られた1.32の2進数表現ですが、実際には途中で切り捨てているので、正確な値ではありません。

1.32 (10) = 1.01010001111010 ... (2)

という具合です。

今の例では2倍ずつ掛けて行きましたが、実際にはオーバーフローしない範囲でまとめて桁上げしても構いません。
HP35SやFree42では、36ビットの数値をハンドル出来るので、この例では30ビット分の桁上げをしても充分です。1024を掛けると10ビット分の桁上げになりますから、1024を3回掛け合わせれば30ビット分の桁上げになります。

1.       1.32 * 1024 =       1351.68
2.    1351.68 * 1024 =    1384120.32
3. 1384120.32 * 1024 = 1417339207.68


これを2進数表示して、つぎの値を得る事が出来ます。

1.32 (10) = 1.01010001111010111000101000111 ... (2)

実際には、この値の方が正確な様です。

同様の手続きを√2や円周率に適用する事で、2進数表記を得られます。
答えを以下に示しますので、お試しを。

√2 =  1.011010100000100111100110011011 ... (2)
π  = 11.001001000011111101101010100010 ... (2)

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あれーっ、July Amazon店のHP50Gが、売り切れだって !

2016年3月9日水曜日

HP Primeによる複素数のグラフの例

最近はJulyさんのAmazon店で、HP50Gの在庫が5台と少なくなりつつありますが、HP Primeの方は在庫も潤沢な様です。
そこで、Primeの売上に貢献すべく(?)、こんな話題をお届け。
 
HP50G, HP Primeでも複素数の計算が出来ます。

ここでは、HP Primeにて等角写像の例として、Zhukovski 変換を使ったグラフィクスを描いてみましょう。
詳しい内容は、Zhukovski変換を調べてください。

先ずは、変換する前の円の中心座標を定めます。複素平面に描くため、円の中心座標も複素数として設定しますから、複素数を保持できる変数が必要です。デフォルトで利用できる複素数変数にはZ0~Z9までがあり、ここではZ0に(-0.08, 0.15)を設定してみました。
つぎに、変換する円の半径ですが、これはsqrt((1-Re(Z0))^2+(Im(Z0))^2) とします。


変換する円の式をdefineによって定義しておきます。


更に、Zhukovski変換の式もdefineで定義すると、楽に進みます。


最後は、「パラメトリック・プロット」アプリケーションを呼び出し、つぎの様にグラフの式を設定しておきます。アプリケーションの複製を作り、Zhukovskiとでも名付けてやってもいいかも知れません。


後は、Graphキーを押してやれば、変換前の円と、Zhukovski変換にて得られる「翼断面」の図が得られるはずです。






同様の事をHP50Gでも作業できますが、実行速度はHP Primeの方が断然早そうです。

2016年3月8日火曜日

fx-CP400が気になる

先日、前の記事のコメント欄にて、やす 様からCASIO fx-CP400 についてのお知らせを戴き、少し調べてみました。

既に2013年にはGood designを取得している模様で、この頃には販売されていた模様。

graphing scientific calculators [CLASSPAD FX-CP400]
https://www.g-mark.org/award/describe/40156

海外では発売されて久しい高機能電卓ですが、2016年を迎えた今日、日本での販売は行われておりません。
主に教育向けだからの模様です。

webにある情報を見た範囲で、fx-CP400とはどんなモノなのでしょうか ?

まずは、やす 様も申しております通り、タッチパネルとスタイラス、そしてキーボードもあるという興味深いデザインです。
キーボードはテンキーのみと割り切っており、関数キーなどはソフトウェアキーボードで行うという徹底ぶり。見た所、TI Nspireを意識した様なI/Fの様です。
ソフトウェア・キーボードを始め、数式を操作する事に主眼を置いている感じで、それはCASを使う事を意識しているからなのでしょう。

以下のページで、細かい紹介がされております。

Fx-cp400 - TK Notebook 様
http://www.nakamuri.info/mw/index.php/Fx-cp400

製品サイト

ClassPad II(fx-CP400) 
https://edu.casio.com/products/cg/cp2/

英文マニュアルはこちら。

http://support.casio.com/en/manual/manualfile.php?cid=004010003

計算については、RealモードとComplexモードがあるらしく、ComplexモードでCASを使うと複素数根も計算してくれる模様。
また、CASIO BASICも用意されているので、プログラミングもOKです。

縦型大画面のカラー液晶の割に、単4電池で稼働するという辺りはチョット驚きです。連続稼働時間は100時間程度となっておりますが、ENELOOPも使えるらしく、経済性はかなり高め。結構ソソります。

CASを使う事を主眼にしているらしく、「計算結果をその場ですぐに欲しい」という実用性は少ない様子で、実務向けというよりは教育向けの色が濃い。
また、結構高そうな感じもします。(Amazon.com では$149の程度ではありますが)
この辺りが日本で発売されない理由の一つなのかも知れません。

惜しいナァ ... 。

2016年2月16日火曜日

映画「ゴーストバスターズ」にまつわる話題

映画「ゴーストバスターズ」の新作の公開日が決まったそうです。

『ゴーストバスターズ』新作は8・19日本公開!女性が幽霊退治の主人公に - シネマトゥデイ
http://www.cinematoday.jp/page/N0080378

いや、新作はどうでもいい。旧作というか元祖の方です、当方の記憶に残っているのは。
(旧作の)映画「ゴーストバスターズ」には、CASIOのポケコン・PB-100が出ておるのですね。

赤松健氏・Twitter
https://twitter.com/kenakamatsu/status/123429347825688577
ゴーストバスターズのは、あれはカシオのPB-100です。FA-3(カセットインターフェースユニット)付きの。 RT @shengyan 映画ゴーストバスターズの一人が持っていたのはどれでしたっけ?

9:07 - 2011年10月10日
写真もありました。

Harold Ramis dies: Ghostbusters 3 still set to go ahead - The Independent
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/harold-ramis-dead-ghostbusters-iii-still-set-to-go-ahead-9154213.html

PB-100をぶら下げている役者さんが亡くなったという記事なので残念ではありますが、記事の冒頭にある写真を御覧戴きたく。

で、PB-100についてはWikiPediaを参照すると、1982/08に発売されているそうで、もう33年も経っております。ウーン。

そこで、fx-5800Pの後継機と共に、PB-100から33年という事で記念碑的なポケコンとか、出してくれると面白いかなぁなんて思うのでありますが、如何でしょうか、CASIOサマ。

2016年2月6日土曜日

こんな計算をしていた ...

先ずは、Stepney様がblogを開始されたとの事で、お知らせ。

Project Fx :関数電卓研究日記
http://stepney141blog.blog.fc2.com/

TI Nspire, HP50Gについての情報を発信されるとの事で、TI Nspireについては日本語の情報が少なく、興味深い情報を提供される事を期待します。HP50Gについては、当方でも色々とやって行きたいのですが、より高度な話題を提供される事と思われますので、期待しましょう。

当方はと言いますと、このところ不活性状態が続いております。高機能電卓の新製品がなかなか出ない事もあり、申し訳ない。

経営再建中のSharpがホンハイから出資を受け、子会社化するという報道があります。当初は、ナントカ私怨機構とかいう所が出資し、事業を腑分けするみたいな話もありましたが、まだ、何が決定したという段階でもなく、推移を見守りたく思います。

さて、脱力状態が続いております当方、最近は何をしていたのかと言いますと、ちょっとした計算くらい。関数電卓で簡単に進められるので、メモ代わりに書いておきます。今回は、中学生向けの話題。

地球の自転周期を調べていましたら、ナント「24時間に足りない」というハナシを見てしまい「エエッー、ホンマかいや ?」とのけぞってしまったのですが、それを関数電卓を叩いて確認しようというのです。

WikiPediaによると「1日は24時間、自転周期はそれよりも短い 23時間56分4.098...秒」とか。ウーム、どうなっているのか ?

地球の自転 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E8%87%AA%E8%BB%A2

ここに、謎を解く図が掲載されていました。1日=24時間というのは、地球から見て「太陽が再び同じ(見かけの)位置」に来る時間、という事だそうです。すなわち、1周回っただけでは足りず、更に「あとちょっと」回って、はじめて太陽の見かけの位置が同じ所に至る、という具合。
で、この「あとちょっと」がどれくらいの量なのか、それをWikipediaの図から読み取ると、地球の公転の1日分の移動角と同じ、と判ります。
地球の公転周期は1年ですが、閏年などを考えると、およそ365.25日です (0.25=1/4は、閏年の02/29の分)。すなわち、2π/365.25 が「あとちょっと」の分。
これらを寄せ集めると、地球の自転周期をTとした場合に、およそつぎの関係が得られます。

2π*(1+1/365.25)*T=2π*24

ここから逆算すると、

T = 24/(1+1/365.25) = 23.934470...

これは10進数表現ですから、関数電卓の度分秒換算機能を使って表示を変えてみましょう。HP50Gの場合、→HMS を使います。

23.5604095563

すなわち、23時間56分04.0956秒 が得られます。おおよその所が合っているので、これで良しとしておきましょう。

2016年1月10日日曜日

賀正 2016年

何とも素っ気ないタイトルで申し訳ない。
明けましてお目出度いのはテメェのオツムのみだと困ってしまいますが、それでも鄙びた辺りから、か細い声でも謹んで新年を賀する所です。
松の内も終わりまして、本blogも少しずつ作業を始めようと思います。

正月早々から余り大ネタもないので、最近考えている事を「年賀タオル」の様にポツポツと。


1. HP50GのMultiple Equation Solvreがスゴかった

先日、HP50GのEquation Library を使ってみたのですが、結構面白いんですヨ。
一部の関数電卓にもある、ビルトインされた「公式集」の様なものではありますが、グラフ電卓の強みを活かして、図が表示される項目があります (一部だけではありますが)。
メニューから項目を選んでやると、登録された式を元にしたSolver環境が動き、そのまま数値解を計算出来るという便利ツールなのですが、どうも、50GのMultiple Equation Solver (MES)を利用したものらしい。Users guide を見ると、ヘロンの公式、余弦定理と複数の式を登録してMESを使う例が出ております。

Using the Multiple Equation Solver (MES) - HP50G Users Guide
(page 7-9)

大まかなMESの使い方は、

+ 方程式リストをEQ、SolverのタイトルをTITLE、方程式の独立変数リストをLVARI という変数に記憶させておき、
+ MINIT, MITM, MSOLVR の順にコマンドを実行する

という感じ。コマンド実行時には、スタックに必要なパラメタを積んでおくなどの準備がありますが、詳細はUsers guideを御山椒。

MESの何がスゴイかというと、複数の方程式を登録して、それらを元に数値解を自動で計算する所もありますが、コマンドを複数使うだけでSolver環境が使えるので、プログラムとして構成する事で「専用のSolverプログラム」に出来るのです。
最近の関数電卓には、方程式1本のSolverが用意されていますが、50GのMESは、更に先を行っていたのでした。

先日、JulyさんAmazonの所のHP Primeは在庫が無くなってしまいましたが、50Gは未だ11台残っております。気になる方はお買い求めを。


2. 電卓内蔵のPeriodic Table考

HP50Gには周期表が用意されております。最近の電卓でも、一部には内蔵されているものがあります。
CASIOのfx-J900/700では、118番目の元素まで記録されているとか。

先日、113番目の元素について、日本の研究者が3度に渡り生成する事に成功した事から、命名権を取得したという話題がありました。
HP50Gの周期表は、作られた時期が古く、106番目までの元素までしか収録されておりません。名前も、104,105,106 については「Un-nil Quadium」、「Un-nil Pentium」、「Un-nil Hexium」と、暫定名であります。
これは、ベースとなっているのがHP48SX向けに用意されたアプリケーションで、1995年頃に作成されているので、古いのも仕方の無い所です。
fx-J900/700の周期表は十分に新しく、113番目の元素も収録されているのですが、命名権を取得したという段階なので、未だ名前が決まった訳ではなく、コレばかりはどうしようもありません。その内、113番元素の名前も決まるのでしょうから、その時になったら周期表も改変されるのでしょうか。まあ、市中在庫が結構ある上、ファームウェアの改変も必要であり、簡単には進まないかも。
そこで、新しい高機能電卓を出して、周期表のアップデートを図るという手を期待したい。
最近の電子辞書では、コンテンツの追加やアップデートが出来る製品があると言います。また、ファームウェアのアップデートが可能な様に、マスクROMからFlashメモリにした電卓製品も多く普及して居ります。新しい高機能電卓では、ファームウェアのアップデート機能によって色々な改良が為され、永く使いつづける事の出来る製品である事を期待したいものです。


3. CASIOの「スマートウォッチ」発表

藤堂様からもコメントをお寄せ戴いておりますが、先日、アメリカで開催されたCES 2016で、かねてよりスマートウォッチ市場に参入を表明していたCASIOがAndroidスマートウォッチの販売を表明しました。
いわゆる「フラッグシップ」という扱いで、高めの価格。CASIOとしてはそれだけ自信を持っている製品なのでしょうが、実入りの少ない当方としては「チプカシ」(チープ・カシオ)の様な腕時計に目が行ってしまう。それは蛇足ではありますが、スマートフォンの普及する今日、腕時計の需要は減る傾向にある様子。しかし、AppleがApple Watchを投入した事で、高級腕時計の需要が喚起された模様。そこでCASIOも高級腕時計としてのスマートウォッチを投入する決断に至ったのは、素晴らしい事ではあります。

電卓の方面では昨年、電卓事業50周年記念モデルとして「S100」を発売しました。キーボードなどに工夫を込め、耐久性も高い高級電卓です。これなどは「事務用電卓のフラッグシップ」なのでしょう。高機能電卓は、fx-CG20やfx-FD10 pro辺りがフラッグシップに相当するのか ?
すると、次は高機能電卓の「チプカシ」を期待したい。チプカシは、見た目は安いながらも十分な機能を持ち合わせている「CASIOの普及価格腕時計」であり、高機能電卓でも、こんな感じの製品を期待したいのであります。

過日、CASIOの電卓投票では高機能電卓・fx-5800Pが堂々の3位となりました。高機能電卓もそれだけ需要があるのですから、後継機では、もっと面白い仕掛けを用意して欲しく思うのです。