2021年1月10日日曜日

虚礼廃止 2021

2020年は、新型感染症が猛威をふるう、災厄の歳となってしまいました。
一方、電卓の方面では、fx-CG50のmicro pythonがバージョンアップするなど、ささやかながらも喜ばしい話題もありました。

2021年は、出来ますれば喜ばしい歳となりますよう。

実は、この話題を準備しているのは、2020年末の事であります。

先日、CASIOが「特定業務向け専用電卓」という電卓をリリースしました。
特定業務向けのアプリケーションが盛り付けられた電卓です。

興味深いのは、ベースとなる機体が共通している感じで、適用業務アプリケーションを盛り付けてカスタマイズできる、そういう共通基盤製品なのではないか、と思われる所です。

目下、ソリューションとしては、3つの業務向けアプリケーションが提供されているのみですが、大きな可能性を秘めているのではないか、と、少し期待しております。

CASIOは「余り計算電卓」を世に問うております。
これなどは、運輸業務の会社から「余り計算が簡単に出来る電卓を発注したい」という相談があって、数量が足りないため無理と判断したとの話から、余り計算電卓という需要があると判断、専用製品を開発した、という事です。
そして、余り計算電卓は、様々な分野で利用される所となり、隠れたヒット商品となったのですが、今般の特定業務向け専用電卓は、余り計算電卓をよりカスタマイズ出来るよう計画されたものなのではないか、と。

専用業務電卓のプラットフォームを準備し、業務向けカスタマイズ、という商売を目指しているのではないか ?
なかなか面白そうです。

そういや、以前のCASIO関数電卓には、電気計算特化型製品がありました。
コイルやコンデンサなどのキーがあって、インピーダンス計算を効率良く出来たらしい。面白そうです。
しかし、今日の関数電卓は複素数の計算能が準備されているものが多く、インピーダンス計算などもある程度出来てしまう。

驚いてしまったのが、fx-CG50の行列計算機能です。複素数行列が平気で扱えるのですね。簡単な回路網ならば、インピーダンス計算も十分こなしてくれそうです。

さて、micro pythonって事でいうと、Numworks電卓が猛威を振るっております。Numworks電卓も、なかなか興味深いものです。
Numworks電卓は、ファームウェアからオープンソースとなっていて、既に電卓OSを置換するなどの試みもあります。中身をいじくり回したい人には「垂涎のおもちゃ」として注目されているようです。

当方、一頃はHP50Gのシリアルとかに外部センサー機器を取り付け、データセンシング/プロセシングなどが出来ると面白かろう、などと夢想しましたが、Numworks電卓ならば、そうした応用も十分に可能なのかも知れません。
一方、昨今はArduinoやRaspberry Pi, micro:bitなどのマイクロコンピュータボードが安価に普及しつつあり、センサー接続からプロセシングまで、十分に行える様になっております。
高機能電卓としては、ハードウェアの拡張とセンシングデータ処理などの領域までカバーする必要は無くなってしまった。
そのため、TI電卓もシステム・ハッカブルではなくなったのかも知れない。

高機能電卓の発展の余地は狭まった、のですが、であればこそ、本来の「計算業務」を、より進めて行くのが「本道」なのかも知れません。

そんな思いで、最近は電卓で何が計算できるのか、その研究を地道にしているのであります。
「原点に還る時期」なのかも知れません。