2016年1月10日日曜日

賀正 2016年

何とも素っ気ないタイトルで申し訳ない。
明けましてお目出度いのはテメェのオツムのみだと困ってしまいますが、それでも鄙びた辺りから、か細い声でも謹んで新年を賀する所です。
松の内も終わりまして、本blogも少しずつ作業を始めようと思います。

正月早々から余り大ネタもないので、最近考えている事を「年賀タオル」の様にポツポツと。


1. HP50GのMultiple Equation Solvreがスゴかった

先日、HP50GのEquation Library を使ってみたのですが、結構面白いんですヨ。
一部の関数電卓にもある、ビルトインされた「公式集」の様なものではありますが、グラフ電卓の強みを活かして、図が表示される項目があります (一部だけではありますが)。
メニューから項目を選んでやると、登録された式を元にしたSolver環境が動き、そのまま数値解を計算出来るという便利ツールなのですが、どうも、50GのMultiple Equation Solver (MES)を利用したものらしい。Users guide を見ると、ヘロンの公式、余弦定理と複数の式を登録してMESを使う例が出ております。

Using the Multiple Equation Solver (MES) - HP50G Users Guide
(page 7-9)

大まかなMESの使い方は、

+ 方程式リストをEQ、SolverのタイトルをTITLE、方程式の独立変数リストをLVARI という変数に記憶させておき、
+ MINIT, MITM, MSOLVR の順にコマンドを実行する

という感じ。コマンド実行時には、スタックに必要なパラメタを積んでおくなどの準備がありますが、詳細はUsers guideを御山椒。

MESの何がスゴイかというと、複数の方程式を登録して、それらを元に数値解を自動で計算する所もありますが、コマンドを複数使うだけでSolver環境が使えるので、プログラムとして構成する事で「専用のSolverプログラム」に出来るのです。
最近の関数電卓には、方程式1本のSolverが用意されていますが、50GのMESは、更に先を行っていたのでした。

先日、JulyさんAmazonの所のHP Primeは在庫が無くなってしまいましたが、50Gは未だ11台残っております。気になる方はお買い求めを。


2. 電卓内蔵のPeriodic Table考

HP50Gには周期表が用意されております。最近の電卓でも、一部には内蔵されているものがあります。
CASIOのfx-J900/700では、118番目の元素まで記録されているとか。

先日、113番目の元素について、日本の研究者が3度に渡り生成する事に成功した事から、命名権を取得したという話題がありました。
HP50Gの周期表は、作られた時期が古く、106番目までの元素までしか収録されておりません。名前も、104,105,106 については「Un-nil Quadium」、「Un-nil Pentium」、「Un-nil Hexium」と、暫定名であります。
これは、ベースとなっているのがHP48SX向けに用意されたアプリケーションで、1995年頃に作成されているので、古いのも仕方の無い所です。
fx-J900/700の周期表は十分に新しく、113番目の元素も収録されているのですが、命名権を取得したという段階なので、未だ名前が決まった訳ではなく、コレばかりはどうしようもありません。その内、113番元素の名前も決まるのでしょうから、その時になったら周期表も改変されるのでしょうか。まあ、市中在庫が結構ある上、ファームウェアの改変も必要であり、簡単には進まないかも。
そこで、新しい高機能電卓を出して、周期表のアップデートを図るという手を期待したい。
最近の電子辞書では、コンテンツの追加やアップデートが出来る製品があると言います。また、ファームウェアのアップデートが可能な様に、マスクROMからFlashメモリにした電卓製品も多く普及して居ります。新しい高機能電卓では、ファームウェアのアップデート機能によって色々な改良が為され、永く使いつづける事の出来る製品である事を期待したいものです。


3. CASIOの「スマートウォッチ」発表

藤堂様からもコメントをお寄せ戴いておりますが、先日、アメリカで開催されたCES 2016で、かねてよりスマートウォッチ市場に参入を表明していたCASIOがAndroidスマートウォッチの販売を表明しました。
いわゆる「フラッグシップ」という扱いで、高めの価格。CASIOとしてはそれだけ自信を持っている製品なのでしょうが、実入りの少ない当方としては「チプカシ」(チープ・カシオ)の様な腕時計に目が行ってしまう。それは蛇足ではありますが、スマートフォンの普及する今日、腕時計の需要は減る傾向にある様子。しかし、AppleがApple Watchを投入した事で、高級腕時計の需要が喚起された模様。そこでCASIOも高級腕時計としてのスマートウォッチを投入する決断に至ったのは、素晴らしい事ではあります。

電卓の方面では昨年、電卓事業50周年記念モデルとして「S100」を発売しました。キーボードなどに工夫を込め、耐久性も高い高級電卓です。これなどは「事務用電卓のフラッグシップ」なのでしょう。高機能電卓は、fx-CG20やfx-FD10 pro辺りがフラッグシップに相当するのか ?
すると、次は高機能電卓の「チプカシ」を期待したい。チプカシは、見た目は安いながらも十分な機能を持ち合わせている「CASIOの普及価格腕時計」であり、高機能電卓でも、こんな感じの製品を期待したいのであります。

過日、CASIOの電卓投票では高機能電卓・fx-5800Pが堂々の3位となりました。高機能電卓もそれだけ需要があるのですから、後継機では、もっと面白い仕掛けを用意して欲しく思うのです。