電卓そのものではないのですが、電子小道具という事で。
■山口真弘の電子辞書最前線■ シャープ「PW-AC20」〜通勤電車内でのTOEIC学習に向いたコンパクトモデル - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/jisho/20110411_437281.html
以前は、キャラクター電卓を作っていて「こんなものを作っている場合か」と書いてしまった、S社の製品です。が、以前に出たモデルも、そして、今回出たモデルも、なかなか興味深いものであるので、ダベリの具に。
なかなか、結構いいんですよね、デザイン。しかも、電池で110時間も持つ割に、カラー液晶と来ている。さすがは電卓のシャープ。褒めちぎり。単4電池2本でこれだけ動いて、ジンガイの発音まで聞けるというので、なかなか凝った作りです。価格も手頃で、電子辞書としては申し分ない、のかも知れません。
しかし、ここまで使いやすそうな製品であるので、今ひとつ、と思ってしまうのが、拡張メモリを使えない所。前の機種でもSDカードなどを使うことが出来なかったので、仕方の無い所かも知れませんが、やはり、もう少しどうにかならなかったのか。また、これは少数意見ながら以前からも言われていた、電子辞書に「メモ機能」という話。折角「キーボード」という便利な文字入力手段まで具有しているのですから、電子辞書にメモ機能が何で付かないのか、一部にはそうした声があります。このシリーズは「ブラックベリー風」とデザインなので、まさにそうした機能を期待してしまう。所が、それはない。
電子辞書は、辞書の記録された固定メモリー(ROM)をアクセスし、その内容を出力するという目的に特化した設計のため、ROM部分は大きく取れるものの、RAMはほとんど存在しない、そんな構成になっている。おそらく、RAM相等の部分はプロセッサ内部のレジスタ程度しかないのでしょう。ポケコンにも劣る。そうでなければ、あの価格では出ない。だから、メモ機能を載せるのにも苦労する事になり、開発費もままならず、既存の製品を少しいじった程度のものしか出て来ないのではないか。
でも、そのプロセッサも、最近では内製ではなく、例えばARMプロセッサ(Cortex M0とか ?)でも使っていそうな。ならば、もう少しソフトを盛り付ければどうにかなりそうなものだが、それはしたがらない。こうした製品さえ供給していれば、それがそれなりに売れるから、それでいいや、となってしまう。
では、一方、AppleのiPhoneやiPadは何でまた、売れたのか。それは、少ない製品とは言え、徹底的に作り込んだから、でしょう。徹底した作り込みをすれば、売れる。ただ、その作り込みはスティーブ・ジョブスという先覚者によって「どんな製品を作るのか」というビジョンがあればこそではあるのですが、それは、やはり「(提供する)製品への愛」です。こんなものがあったら良い、という心であり、考えであり、信念。ハードウェアはそうしたものを提供できる様になっているのですが、ソフトがおっついていない。ソフト、と書きましたが、それはプログラムやOSだけの事ではありません。「運用」です。ハードウェアとしての製品はかなり良いものを提供できるのですが、それを「どう使ってもらうか」が足りない。
「たかが電子手帳で、そこまで言うか」と思われる向きもあるかも知れません。しかし、そういう考えだから、他の製品でもいまいち売上が期待できない。これこそ「形だけの愛」です。
今回登場の電子辞書で「惜しいなぁ」と思うのは、そんな所なのですが、上記のレポートをみますと、さらに気になる問題が。液晶画面のスクショがあります。これは、液晶画面を直接写真撮影したものですが、何やら、液晶画面に「シワが寄っている」風に見えるのですね。
もしかすると、これは「狙って」こうしたのかも知れません。「液晶のS」だけに、「ペーパーライク・スーパー液晶」とか言うのでしょうか。目にやさしいとか。でも、それにしては惹句にそうした事も書かれていない。嫌な予感。
そういや、S社のお偉いさんは「国内の正社員は1/5しかとらないよ」とか言っているそうで、国内需要も余り期待していないフシがあります。この電子辞書の液晶についても「こんな安上がりな製品に、我が社のスーパーナントカ液晶を使う必要はあるまい。どこか適当な所の安っぽい液晶でも持ってきたらええんじゃ、もったいないのう」とか言って、本当にお粗末なものを安く買い叩いてきて使ってしまったのか。
ちなみに、秋月電子でも販売されている中国製の液晶オシロですが、以下のサイト様で分解記事が出ておりまして、こちらのものは松下の液晶だそうです。
激安オシロスコープ OWON PDS5022S をアマゾンで買ったよ(*゚∀゚)=3 - Air Variable 様
http://airvariable.asablo.jp/blog/2009/06/25/4388599
全体に安い価格でも、良い部品を使っているのです。
で、電子辞書に話を戻しますが、ここまで高機能になって来ているのですから、いっその事「Android端末にでもしてしまえばエエ」などと思うのであります。実際、S社もAndoridケイタイではそれなりに成功しているのですし。
しかし、それは無理なハナシ。S社にしてみれば、「こんなに売れるAndroidなんだから、安く出すのはバカなハナシ。もったいないのう。国内のバカ共には、高いAndoridケイタイとチープな電子辞書だけ、あてがっておけばええんじゃい、このタコガァーッ」(ここで、津島利章・作曲「仁義なき戦い」の音楽)
そんな事では、この先、海外から様々なAndroid製品が大挙して押し寄せてきても対応できません。Samsungなんかは、ARMプロセッサも自前で作っているんですから、安く出すのは何でもない。実際、Galaxy playerなんかは、かなり安い模様。大丈夫かね。S社の心配をしている場合でもありませんが。
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