2011年6月17日金曜日

秋月だより

秋葉原の秋月電子では、実に色々なものが安価に販売されております。

結構安かったのが、ディジタルテスター。以下なんかは、800円です。

デジタルマルチメータ M-830B マニュアルレンジ
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-01287/

近場のホームセンターでも、ここまで安いものはそうそうありません。レッツゴー・秋葉原。所が、最近は近くの千石さんでも安いテスターを置く様になってきていて、恐らく同等の製品が、同じくらいの価格で置いてあります。

これはどうなのか、秋月さん ? と思っておりましたら、次の手が !

ポケット・デジタルマルチメータ[周波数+容量][オートレンジ]P-10
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-00137/

これなんざ、以前は1600円とかしておった筈ですが、今回見たら、何と「1000 円」になっているじゃないの ! ビックリする値下げ。周波数と容量計機能が付いて、この値段になっちゃった ! これはマストバイ、という所ですかね、入門ユーザーなら。 Fabrique en Korea だったりしますが、安いテスターなんて入門者しか使わないのだし、精度は余り期待するものではありません。ですから、安い物で充分ですし、安いに越したことはありません。それに、Koreaですから、そんなに精度も悪いものではないのでしょう。どうしても精度などを気にする向きは、日本でも日置やサンワが頑張っておりますから、それを購入しましょう。日置やサンワは、それこそ「ブランド」になって、そのブランドを維持すべく努力しております。高度な技術者が求めるのは、そうした一流の製品でもいいのです。しかし、同時に、コモディティとしての道具は、そこまで高性能を要求するものでもありませんで、ですから、安価格帯のものがあるのですが、それが外国製品となってしまった。まあ、日置やサンワはそれほど大きい会社ではないのでしょうから、そこまで広い範囲をカバーすることも出来ないのは仕方のない所でしょう。それに、計測機なんてそれほど売れるものでもありませんから。

でも、日本の大手メーカーも「ウチはブランドになったのだから、高級品さえ作って居れば良いのだ、バカな庶民どもは有り難がって高い商品を買うわい、ウヒョウヒョヒョヒョ」として、普及価格帯の製品を開発しようともしない。そこで、外国製品も良いものが次々と流入してくる。海外の製品を買うとは何事か ! それでも愛国者なのか ! とバカな自称右翼からは言われそうですが、さにあらず。「愛国心」の涵養とは、そうしたアホウな考えに毒された国内の大手メーカーに対して「我ら国民が買いたくなる製品を出せ !」と焚き付ける事であり、それで大手メーカーも一生懸命、国内で開発、製造しようと思うものです。それこそが「オールジャパン」なのだと思うのですが ... 。

5 件のコメント:

Akira さんのコメント...

こんにちは。

こればかりは反論させて頂きたいと思います。
自分も秋月の中華製激安テスター(1000~3000円ぐらいのもの)を2台購入して使っていますが、操作性は良くありません。しかも1台は導通テスターのブザーが鳴らなくなりました。(ロータリースイッチの接点不良?)

バックライトが付いていたり、熱電対温度計や周波数カウンタ、hFEチェッカーなどもあり、値段の割に機能は高いのですが、ソフトを含めて色々な部分で作り込みがチープです。
正直ビギナーが周りに相談できる人間が居ない状態で「初めて手を出す」のは止めておいた方が良いかなと思います。

結局、三和や横河の5千円以上・1万円以下で買えるテスターが長持ちして使い続けています。(15年以上使っている私物)

テスターやオシロスコープなどは、PC類と似ていますが、単体で動作するものなので製品寿命は驚くほど長いですね。機能が低いアナログな物ほど10年単位で使うことも珍しくありません。(電池が製造中止になるまで)

 私の場合も同様でしたが、「親父が買った少し高いものをお下がりで使わせてもらう」というのが、子供に使わせる良い方法だと思います。基本的な使い方や、原理が良く勉強できますし。

計測器に限って言えば、古いものでも20年ぐらいならばメーカーに出して校正できまが、修理部品が無くなってしまったものは、修理出来る範囲で直して貰えます。

計測器と”質(タチ)の良いオーディオ製品”は、工業製品の良い見本みたいなものだと思っています。大量生産・大量消費されるようなものではありませんが、大事に使えば長持ちし、調子が悪くなったり壊れても、メーカーは直してくれます。(退職したOBを呼んできて直して貰うことも)


 ちょっと贅沢なテスターで欲しいと思っているのは、三和のオートレンジのアナログテスタで2~3万ぐらいのものです。1990年前後の「初ラ」誌や「ラ製」誌の広告に入っていましたが、未だに同じ形でハイエンドとして売っているのがスゴイです。もう20年近く経つのに。

akatuki さんのコメント...

ようこそ、お出で下さいましてありがとうございます。

> こればかりは反論させて頂きたいと思います。

ええ、左様です。御主張、実はごもっともなのです。最初から謝っておきます。申し訳ない。ヘタレ。

計測機は、確かに品質の良いものを買った方がいいのです、それは判って居ります。ここで当方が言いたかったのは、つぎの2つの点です。

1) こうした計測機というのは、本当は品質の良いものを買った方が後々、永く使える、まさに、Akira様の主張通りなのです。日本製のものはそうした品質の良い物が多い。それは「かつて」(と過去形になってしまうのは、そうしたメーカーが少なくなりつつあるからなのですが)ものづくりを地道にやってきた国内メーカーが地道に経営し、今もってそうした製品を作り続けているからですが、残念な事にこうしたメーカーは、大量消費に向かないものしか作って居りません。所が、外国メーカーでも、まずはコピーをしながら、例えそれがチープな作りであるにしても、努力して作っている。何故か。それは、製品を提供する事、それこそが「社会貢献」だからなのです。皆にその製品を使ってもらおうという、その心なのです。その成果が秋葉原や近場のホームセンターに置かれている安上がりな製品です。今は未だ、安普請な製品ばかりですが、かつての日本の様に、製造技術も向上してくるのは時間の問題でしょう。
確かに、国内メーカーの良い物はそれだけの価値があるのですが、では翻って、そうした計測機などを使って大量消費の製品開発をしている大手メーカーは、どうか、と。そうした性能の良いものを使って開発している割に、「先端の製品だから」と、海外製品よりも高い製品しか出せずにいる。計測機をやっているメーカーは、もともとそんなに計測機製品が売れるものでもないので、計測機が高いのは仕方のない所ですが、国内が工業的にもボトムアップしておかないと、結果として計測機のような製品まで先細ってしまう。それには工学教育がより進まないとならないのですが、IT製品が普及する一方、そうした計測機などの基幹製品に対するリテラシイは必要ないから少ない。ですから、チープな製品でもいいから、まずは買って使ってみようじゃないの、そして、工学的なリテラシイを身につけようじゃないの、というのが当方の主張なのです。

2) で、計測機は、本来、高いものを買うのが良いのではありますが、何でまた「チープなものを買え」と書いたのか。それは、この文章の対象が「入門者だから」なのです。
もちろん、これについても各人で様々な主張はあると思いますが、私の考えとしてはこうです。もし、安普請なものを買って「安普請なものを買っちまったぜ、使えねぇじゃん、これ」と思えるならば、それは製品に対する目利きとなり、将来はもっと良い、別の製品を入手しよう、となります。また、安普請な製品が「なぜ安普請になってしまったのか」という興味の対象になるでしょう。それも勉強の内だと思うのです。どうせ安いものなので、性能は期待できない。では、どこまでの性能を求める必要があるのか、そこを見極める、そういう訓練にもなるでしょう。
かつて、ラジオ製作誌などでは、テスターのキットなんてものまで売られておりました。もちろん、計測機としての性能は二の次でして、原理としてどんなものなのか、を理解させるために製作されたものだと思うのです。

で、ついでだから、もう一つ。

3) 本当は核兵器、じゃなかった、性能の良いテスターが欲しかったのが私ですが、一方、テスターというのは、基本性能だけあればそれで十分という技術者もいらっしゃいます。周波数測定などの機能は別の測定器を使った方が良いからだそうです。しかし、なかなか、入門者が最初からそこまで揃えるというのは、結構キツいでしょう。徐々に買い増し、というのがごく普通の研究者ですかね。もちろん、企業の研究者ならば、会社に機材もあるので、それを存分に使えるのですが、それは技術者としてある程度の技量があるからこその話。それ以前の入門者ならば、徐々に勉強、という事で、チープな製品からでもいいのではありませんか、ね ? ただ、反物の真贋を見極めるには、常日頃から本物を間近にみて、それを見分ける目を培うという話もあります。チープなものばかりでは立ち行かない、のかも知れません。これが悩ましい。アメリカ辺りでは、そうした機材などを大学が安価に放出したりなどする事があるらしいのですが、日本ではどうなのか。こうした製品が市民が気軽に利用できないとなると、ますます、工学的なリテラシイが市民の目から遠ざけられる事となってしまう。そして技術も「秘術」なってしまう。それが悔しい。

計測機のメーカーにも頑張ってもらいたいし、それを使って製品開発を進める大手メーカーにも努力してもらいたい。そうして、市民が気軽に購入できる工業製品を色々と製造してもらいたい。実は、そんなために、こうした主張をしたのでした。でも、毎度、支離滅裂。何だかねぇ。スマソ。

Akira さんのコメント...

こんばんは。

計測器が3度の飯と”同じぐらい”大好きな私です。先日の最初のコメントとは正反対な矛盾した行動ですが、「DSO Quad」という中華製の格安オシロスコープを買ってしまいました。
手前味噌で恐縮ですが、久しぶりにblog記事を書きました。
http://amkppce.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/dso-quad-7fde.html

非常に意欲的な製品ですが、かなりチープです。まだ未完成な部分も多いですが、今流行のオープンソースとなっていて、ファームウェアや回路図まで公開されています。誰でも改良自由なのが素晴らしいです。

オシロにしては安い価格帯ですが、初心者や入門者に薦められるかというと、NGです。ですが、私の周りにいる人間には薦めようと思います。現代のエレホビー「三種の神器」になると思います。
・ブレッドボード
・Arduino(プロトタイピング)マイコンボード
・ポータブルオシロスコープ

本当のオシロはテスターの代わりに使っても良いと思いますが、今回のDSO Quadは電圧レンジの精度が微妙に悪い(ファームウェアにも依存する)ので、波形を見たい用途に限った方が無難でした。

テスターはホームセンターの1000円台から1万円台、中華製から国産まで色々な物を使っていますが、一番気になる点は測定精度云々よりテストリード棒の取り回しですね。

ケーブルが太い・固いと作業し辛いですし、感電防止フランジが大きいと片手で箸のように持ったときに不便です。あと、安い奴は先端の金メッキが直ぐに剥げて接触抵抗が悪化して使いづらいです。結局ニッケルメッキになってしまいますので。(金フラッシュの下地はニッケルメッキ。ニッケルの下地は銅。母材は鉄など)


入門者でも買えて、使えて、測定器としての勘所を外していない(精度と確度が正確ではなくても)ものがあると良いですね。計測工学の講義を思い出します。
個人的に欲しいのは、簡易的にLCが測定できるものです。(LCRメータなど)
テスターにL・C・Rレンジが追加された物もありますが、配線の成分が影響しますので基板直結の簡易型でも良さそうです。
http://strawberry-linux.com/catalog/items?code=40002


ではでは。

akatuki さんのコメント...

Akira 様、遅くなりまして、申し訳ない。最近、野暮用が立て込んでおりまして。

> 計測器が3度の飯と”同じぐらい”大好きな私です。先日の最初のコメントとは正反対な矛盾した行動ですが、「DSO Quad」という中華製の格安オシロスコープを買ってしまいました。
「Quad」ですか ! 未だ、コミッターしか買えないという !? 当方は安物買いの...で、nano を買っちゃいました (千石さんで)。

> 非常に意欲的な製品ですが、かなりチープです。まだ未完成な部分も多いですが、今流行のオープンソースとなっていて、ファームウェアや回路図まで公開されています。誰でも改良自由なのが素晴らしいです。

nano もファームが次々と出ているそうで、Quad も精力的に開発が進められるでしょう。nano ではファームの変更でかなり測定精度もあがる様子ですから、Quad も期待していいのかと思います。でも、チープなのは ... 。nano もスイッチが安直な感じでした。
とは言え、こうした製品が出てくる辺り、なかなかと思う所です。

> オシロにしては安い価格帯ですが、初心者や入門者に薦められるかというと、NGです。ですが、私の周りにいる人間には薦めようと思います。現代のエレホビー「三種の神器」になると思います。
> ・ブレッドボード
> ・Arduino(プロトタイピング)マイコンボード
> ・ポータブルオシロスコープ

Arduino は気になって居りますが、かなり色々と出来る一方、ハードウェアの取り回しが少々面倒な感じがして、なかなか手が出ません。シールド、という仕掛けは、まさに「組み込みプロセッサのPC-ATアーキテクチャ」みたいで、大変感銘しているのですが。それを扱うのが、また勉強だったりします。そんな事で当方、ポツポツと8本足のPIC のお勉強を始めた所です。まだ、LED をピコピコさせている程度ですけれどネ。

> 入門者でも買えて、使えて、測定器としての勘所を外していない(精度と確度が正確ではなくても)ものがあると良いですね。

本当は、そこなんですよ。

> 個人的に欲しいのは、簡易的にLCが測定できるものです。(LCRメータなど)
> テスターにL・C・Rレンジが追加された物もありますが、配線の成分が影響しますので基板直結の簡易型でも良さそうです。
> http://strawberry-linux.com/catalog/items?code=40002

これも「ATMEL」ですね ... 。やっぱり、ATMEL の石はいいのかな ? Arduino ... 。

akatuki さんのコメント...

と、思っておりましたら、既にQuadって、国内で買えるの !? あーっ、ヤラレタ !!

オソマツ !!