2025年10月30日木曜日

生産終了の fx-CG50 に アプデが登場しました

 既に fx-CG100 が発売、fx-CG50 は生産終了となっておりますが、珍しい事に、fx-CG50 のアプデが登場しておりました。

ref. fx-CG50 アプデ
https://support.casio.jp/download.php?cid=004&pid=2126

- バージョン履歴
(2025年10月29日)  fx-CG50 OSアップデーター(⇒Version 3.81)及び関連アプリソフトの公開 (Windows/Mac OS)

- バージョンアップ内容
  (Ver3.80.XX1X → Ver3.81)
    軽微な修正

との事で、内部的な不具合の修正、という具合のようです。

これで casioplot.getkey() とかが追加になれば興味深いのですが、マニュアルの更新はなさそうですから、機能面は変更なし、として差し支えなさそう。
他方で、OS に lock を掛ける、というイヤな更新もあるかも知れません。

確か、XCAS は、OS 3.7 では問題なしだったものの、3.8 になって、導入が困難になったそうで、3.7 へ roll back する必要があると記されておりました。
今般の 3.81 は、OS の downgrade を阻止する、そんなイヤなメカが入っていたりしないか、などと思う所。
(当方、未だに 3.40 だったりします)
 
で、XCAS, PythonExtra を使っていない皆さん、おそらく最後のアプデが提供されましたので、是非ともご利用戴きたく ... !

突然のアプデ襲来に驚いてしまい、出だしはこんな事で始めましたが、先日から、チョット手遊びで、こんなコードを作っておりました。

四角形の中に少し傾けた線を引き、それを繰り返していくと、規則性のある図柄が現れる、というものです。

# recsq.py 2025-10-27
from math import *
#from casioplot import *
from u import *

a=(86,191)
b=(86,0)
c=(277,0)
d=(277,191)

def sqlin(a,b,c,d):  
  line(int(a[0]),int(a[1]),int(b[0]),int(b[1]))
  line(int(b[0]),int(b[1]),int(c[0]),int(c[1]))
  line(int(c[0]),int(c[1]),int(d[0]),int(d[1]))
  line(int(d[0]),int(d[1]),int(a[0]),int(a[1]))

def tr(r,p,q):
  return (p[0]*(1-r)+q[0]*r,p[1]*(1-r)+q[1]*r)

def recsq(n,r,a,b,c,d):
  for i in range(n):
    sqlin(a,b,c,d)
    b=tr(r,b,c)
    c=tr(r,c,d)
    d=tr(r,d,a)
    a=tr(r,a,b)

recsq(60,0.05,a,b,c,d)
但し、やす親分作成の線引き module 「u.py」を使用しております。折角作っていただいたので、有り難く使わせて戴いております。
親分、多謝であります ! 

ref. Casio Python - グラフィックス出力関数の追加 - e-Gadget - プログラム関数電卓
https://egadget.blog.fc2.com/blog-entry-739.html

このコード、元々は再起処理っぽい感じで書いておりました。
def recsq(n,r,a,b,c,d):
  if n<=0:
    return
  sqlin(a,b,c,d)
  b=tr(r,b,c)
  c=tr(r,c,d)
  d=tr(r,d,a)
  a=tr(r,a,b)
  recsq(n-1,r,a,b,c,d)
しかし、繰り返しの回数が 50 になると stack overflow になってしまいました。なんだよ、オイ !
upython では、バルクデータを扱う必要もあって、heap oriented らしく、Stack は少し控えめに配分するのだと思う所です。
で、作業中のコード、入力している最中、「無理に recursive にする必要はなさそうだナ」と、単純な繰り返しにした所、stack 消費がないため 50 を越えて 100 でも問題なく動くと判明しました。

先日来、ダイソーで買ってきた NiMH 電池を使っていたのですが、今日になって、Low Batt replace が出る様になったものの、一度電源をサスペンドすると、一時的に復帰する事をいい事に、使い続けておりました。
流石にこのままではキツそうと、電池交換のため、編集中のコードを保存しておこうとすると、Low Batt 警告が出るのであります。Flash memory は書き込みに電力が要るのです。そこで、一旦サスペンドで電圧回復を図り、保存しなおすという際どい操作で、切り抜けたという具合。(良い子はマネしちゃダメよ)

昔のポケコンでは、RAM に BASIC プログラムを置いておりました。電池が切れると、内容をすっかり忘れてしまうのですが、それを思うと、隔世の感、ではあります。

2025年10月26日日曜日

fx-CG50 : Julia 集合のグラフィクス

 理屈はさておいて、Julia 集合のグラフィクスというのが、Mandelbrot set graphics のコードをいじるだけで作成できるとの話で、作業してみました。


from math import *
from casioplot import *

clear_screen()

def julia(deg):
 tbl=[ (0,0,0),(255,0,0),(0,255,0),(0,0,255),(255,255,0),(255,0,255),(0,255,255),(255,255,255) ]
 n=len(tbl)*deg
 xmin = -3.84/2
 xmax = 3.84/2
 ymin = -1.92/2
 ymax = 1.92/2
 dx = (xmax-xmin)/384
 dy = (ymax-ymin)/192
 for yp in range(192):
  for xp in range(384):
   z = xmin+(xp*dx) + (ymax-(yp*dy))*1j
   c = -0.8 + 0.156j
   cnt = 0
   while (abs(z) <= 4.0 ) and ( cnt < n ):
    z = z*z+c
    cnt = cnt+1
   rgb = int(cnt*255/n)
   #col = (int(rgb),int(rgb*0.75),int(rgb*0.25))
   col = tbl[cnt%8]
   set_pixel(xp,yp,col)
  show_screen()

julia(6)
末尾の julia(6) で「計算深度」を指定しております。
この計算深度は、反復回数を指定するもので、カラーテーブルの大きさの倍数となっていて、カラーテーブルの大きさが 8 なので、最大で 6*8 = 48 回の計算繰り返しを行います。

どうして、こんな事をしているのか、と申しますと、計算回数の上限を上げる事で、色々と画像が変化してくるのですネ。
fx-CG50 のスクショを取る方法がわからないので、パソコで擬似的に行ったのが、つぎの画面であります。

中心部から黒の領域がウネウネと出ておりますが、回数を増やすと、黒の部分にも細かい色が現れるのです。
しかし、fx-CG50 ではチョット荷が重いので、上限を 6*8 にしているという次第です。

さて、このコードをやっていて、隘路に入ってしまったので、メモを書いておきます。
当初、ファイル名を jul-1.py としていたのですが、実行すると、「Syntax error」が出るのですネ。色々とコードを手直ししてみましたが、どうにも見通しがつかない。
結局、実行時に 「from jul-1.py import * 」と出ていて、ファイル名にあるハイホンを「コレって、引き算じゃね ? エラーじゃんかよ !」となっていたらしい。
そういや、CG50 本体で python コードを作成するとき、ファイル名にハイホンは入力できんのですね。道理で。

... なんとも情けないオチでありました。スマソ。

 

 

2025年10月11日土曜日

電卓の話題で、こんな話を見た

 確か、以前にもあったと思うけれども、6÷2(1+2) の答えが色々と悩ましいとの事。

ref. 6÷2(1+2) - Wikipedeia
https://ja.wikipedia.org/wiki/6%C3%B72(1%2B2)

電卓で計算しても処理方式が様々で、答えが 9 であったり 1 であったりするのだそうです。

まずは、CASIO fx-CG50 でやってみましたヨ。
6÷2(1+2) を 6÷(2(1+2)) と自動で書き換え、1 を返しますネ。教育用途という所で、配慮されているようであります。

続いて、fx-CG50 の upython ですが、プログラム言語なので、こうなりました。

>>>6/2(1+2)
TypeError : 'int' object is not callable
エラーです。なるほど。2は関数として呼び出せない、という具合です。

HP Prime の simulator でもやってみました。


"6/" まで入力した所、自動で分数表記になり、以降の 2(1+2) を入力すると 2(1+2) の分子の扱いとなって、結果は 1 になりました。これはこれでウマイ回避法です。

HP電卓で広く使われていた RPN でやるならば、こんな具合になりましょうか ?

6 [ENTER] 2 [ENTER] 1 [ENTER] 2 [+] [*] [/]  → 1 を返します
また、6÷2*(1+2) として計算するには、

6 [ENTER] 2 [/] 1 [ENTER] 2 [+] [*]  → 9 を返します

括弧で括った項と数値の掛け算で、掛け算記号が省略されてしまう事から、演算子の優先順位に混乱が生じるため、こんな具合になるのでしょう。

Wikipedia の記述によると「この式自体の記述がオカシイ」とする方式もあるそうで、式記述について、曖昧にならない様な指導が期待される所でもありますが、学校教育の現場では、今暫く、この問題に悩まされることになりそうです。

【おまけ】
fx-CG50 XCAS で試したら、

6/2(1+2)
Warning : using implicit multiplication for (2)(1+2)
                  1
でした。暗黙の掛け算処理を適用、という具合です。