過日、つぎの post を見かけました。
ref. https://x.com/BlackcatKrnk/status/1887028082487517373
fx-CG50 で x^x のグラフを描くと、x<0 の領域でも、飛び飛びの点ガ描かれる、というお話。
手元の fx-CG50 で試したら、確かにこうした結果が得られます。
しかし、若干注意が。グラフを描く前に、Run-Matrix ( 計算機メニューですネ ) のset-up で、comp. mode ( 複素数計算モード ) を Real ( 実数計算 ) にしておく、この手順が必要なのです。
逆に、real にしてグラフの x<0 領域の点々を確認したら、comp. mode を a+bi, a∠θ などに変更して、グラフを描き直してみて下さい、x<0 の点々が消えてしまうのですネ。
今回は、何でこんな具合になるのか、チョット調べてみましたのヨ。
点々の内、代表として x=-2.4 の点を計算してみる事とします。
y = f(x=-2.4) = (-2.4)^(-2.4) となります。
指数が負数となっているので、普通はEuler公式などで値を計算します。たいていのグラフ電卓では複素数計算の動作であり、y の値が複素数になって、グラフに点すら描かれないのですが、
fx-CG50 で real (実数計算) を指定すると、この値が計算できてしまうらしいのですネ !
2.4 という数値を有理数変換、2.4 = 12/5 として、上記の計算を書き直しますと、
y = f(x=-2.4) = (-2.4)^(-2.4) = (-12/5)^(-12/5) = (-5/12)^(12/5) = ( (-5/12)^(1/5) )^12
とできます。この計算で、一番の難所である、
(-5/12)^(1/5)
を計算するのですが、
ある数 a ( a>0 ) について、(-a)^5 = -a^5 と計算できますから、この関係から、
(-5/12)^(1/5) = -(5/12)^(1/5) としても良いのでしょう。
すると、(-5/12)^(1/5) = -(5/12)^(1/5) = -0.8393783275 となります。( 但し、real モード設定の場合 )
あとは、これを12乗すれば、x=-2.4の点が得られるという寸法です。
同じ計算を、複素数・極座標計算 a∠θ にて行うと、
(-5/12)^(1/5) = -(5/12)^(1/5) = -0.8393783275∠1/5 π という値が返ります。
これを12乗すると、x=-2.4 の点が得られるのですが、複素数拡張で計算しているので、やはり複素数になります。これではグラフに点を描くのは無理であります。
こうして、real 実数モード設定のグラフでは、x<0 領域で、飛び飛びの点々が描かれるとなると解ります。
fx-CG50 、実数計算モードによって、こうしたグラフが描けるというのは、結構興味深いものです。
2025年2月10日月曜日
fx-CG50 で描くグラフのポストを見かけて、少し考えていた
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