2011年7月13日水曜日

時代は移ろいゆく

「日本の社長」宮尾すすむさんが死去 - Yomiuri online.
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110713-OYT1T00640.htm?from=main4

 タレントの宮尾すすむ(みやお・すすむ、本名・山口進=やまぐち・すすむ)さんが12日午後2時56分、肺炎のため死去した。77歳だった。

 告別式は18日午前10時から東京都港区高輪3の15の18、高野山東京別院。喪主は長男、山口雅史(まさし)氏。

 軽妙な語り口で、ワイドショーの「日本の社長」コーナーなど、テレビのリポーターとして親しまれた。
(2011年7月13日13時34分 読売新聞)

最近、宮尾すすむ氏もTVで見ないなぁ、とは思っておりましたが、亡くなってしまった。合掌。

宮尾氏というと、やはり「日本の社長」コーナーを思い浮かべる方も多いかと思います。それは、宮尾氏が絶妙な話術で社長の魅力を引き出していたからという事もあったのですが、実は、そうした魅力のある社長が多かったから、でもあります。

近年では資金調達に汲々とする余り、自社の株を運用する事ばかりに頭を持っていかれ、それで本業を疎かにしてしまった所ばかりが大きくなってしまった。会社を維持、存続させるというのは、社長にとっては重大な関心事ではありますが、それでいて、本業を疎かにしてしまっては、本末転倒。ただ、大メーカーなど、近年では「何がしたい」という目的で社員が参加しているわけではなく、「大メーカーだから、食いっぱぐれることはなかべ」という程度の社員ばかりだから、「会社組織を維持しないと」という方向に行って居るわけです。だから「会社を維持するには、とにかく収益を上げる事だ。だから竹中・小泉改革で社員はリストラ、契約社員で人件費カット。法人税優遇で収益確保、本業そっちのけでもどうにかやっていけるべ」となってしまった。

メーカーにとって、社員はより良い製品を開発・提供するための「道具」です。それは、一人一人ではなかなか出来ない事も有るから、多くの人々の知恵や努力で、より良いものを作っていこう、という事であった。だから会社組織を作って、多くの人材を抱える様になった。良い道具は、それだけ金は掛かるものです。だから人件費が掛かるのは仕方のない所。それを「収益が上がらないのは人件費が掛かりすぎているからだ。ヨシッ、コストカーット !」とリストラしたら、それはパイプカットみたいなものであった。昔は「お前の燃料棒に火はついていないか」だが、いまは「虚勢」になってしまった。
昔の社長はそうした事が判っていたからこそ、製品を開発するなり、サービスを提供するなりの「本業」で努力する、そこが魅力的だった。そんな社長を相手にしていたので、宮尾氏のコーナーも面白かった。

所が、今の大手の社長は、本業はどうでもいい手合ばかり。これでは、会社は立ち行かない。会社存続だけが目的になっている所ばかり。だから、宮尾氏ももう「社長コーナー」は出来なかった。これこそ「大企業病」です。元々「新しい製品、新しいサービスが待っているに違いない」という事で創業したはずなのですが。宮尾氏も、こんな状態ではコーナーを続けることは出来なかったでしょう。いずれ、こうした「後ろ向きな」所は、衰亡していくに違いありません。大手はカネだけは持っているから、時間は掛かると思いますが、会社として何かをしようというのでなければ、存立理由がないのですから。

そして、そういう程度の考えしかない人物が総理になってしまった。福島県をはじめ、広い地域で「(未来の)国民のリストラ」が進行中。「国民は資産。反対売買で収益を上げるのも私、官直人」。

この国はどこへ行こうとしているのでしょうか。

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