2020年は、新型感染症が猛威をふるう、災厄の歳となってしまいました。
一方、電卓の方面では、fx-CG50のmicro pythonがバージョンアップするなど、ささやかながらも喜ばしい話題もありました。
2021年は、出来ますれば喜ばしい歳となりますよう。
実は、この話題を準備しているのは、2020年末の事であります。
先日、CASIOが「特定業務向け専用電卓」という電卓をリリースしました。
特定業務向けのアプリケーションが盛り付けられた電卓です。
興味深いのは、ベースとなる機体が共通している感じで、適用業務アプリケーションを盛り付けてカスタマイズできる、そういう共通基盤製品なのではないか、と思われる所です。
目下、ソリューションとしては、3つの業務向けアプリケーションが提供されているのみですが、大きな可能性を秘めているのではないか、と、少し期待しております。
CASIOは「余り計算電卓」を世に問うております。
これなどは、運輸業務の会社から「余り計算が簡単に出来る電卓を発注したい」という相談があって、数量が足りないため無理と判断したとの話から、余り計算電卓という需要があると判断、専用製品を開発した、という事です。
そして、余り計算電卓は、様々な分野で利用される所となり、隠れたヒット商品となったのですが、今般の特定業務向け専用電卓は、余り計算電卓をよりカスタマイズ出来るよう計画されたものなのではないか、と。
専用業務電卓のプラットフォームを準備し、業務向けカスタマイズ、という商売を目指しているのではないか ?
なかなか面白そうです。
そういや、以前のCASIO関数電卓には、電気計算特化型製品がありました。
コイルやコンデンサなどのキーがあって、インピーダンス計算を効率良く出来たらしい。面白そうです。
しかし、今日の関数電卓は複素数の計算能が準備されているものが多く、インピーダンス計算などもある程度出来てしまう。
驚いてしまったのが、fx-CG50の行列計算機能です。複素数行列が平気で扱えるのですね。簡単な回路網ならば、インピーダンス計算も十分こなしてくれそうです。
さて、micro pythonって事でいうと、Numworks電卓が猛威を振るっております。Numworks電卓も、なかなか興味深いものです。
Numworks電卓は、ファームウェアからオープンソースとなっていて、既に電卓OSを置換するなどの試みもあります。中身をいじくり回したい人には「垂涎のおもちゃ」として注目されているようです。
当方、一頃はHP50Gのシリアルとかに外部センサー機器を取り付け、データセンシング/プロセシングなどが出来ると面白かろう、などと夢想しましたが、Numworks電卓ならば、そうした応用も十分に可能なのかも知れません。
一方、昨今はArduinoやRaspberry Pi, micro:bitなどのマイクロコンピュータボードが安価に普及しつつあり、センサー接続からプロセシングまで、十分に行える様になっております。
高機能電卓としては、ハードウェアの拡張とセンシングデータ処理などの領域までカバーする必要は無くなってしまった。
そのため、TI電卓もシステム・ハッカブルではなくなったのかも知れない。
高機能電卓の発展の余地は狭まった、のですが、であればこそ、本来の「計算業務」を、より進めて行くのが「本道」なのかも知れません。
そんな思いで、最近は電卓で何が計算できるのか、その研究を地道にしているのであります。
「原点に還る時期」なのかも知れません。
2021年1月10日日曜日
虚礼廃止 2021
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10 件のコメント:
こんにちは。
Numworksのpythonで遊んでます。
pythonが使える電卓が増えて、
昔のポケコン感覚に似ていると
思っています。
年明けに以前から興味のあった
TI社のpythonが使える電卓を
セカイモンで落札し届くのを
待っている所です。
https://education.ti.com/en-gb/products/calculators/graphing-calculators/ti-84-plus-ce-t-python
casioも既にpython電卓を出して
いますが、是非SHARPも出して
ほしいと思います。
ではでは。
hangyodon 様、はじめまして !
> Numworksのpythonで遊んでます。
> pythonが使える電卓が増えて、
> 昔のポケコン感覚に似ていると
> 思っています。
NumworksのION OSの研究、なかなか興味深い記事で、恐れ入ります。
ありがとうございます !
こうした話題、当方、追いついていくのも大変であります。
無駄に歳ばかり喰ってしまったヨ ... オツムも弱っております、トホホ。
> 年明けに以前から興味のあった
> TI社のpythonが使える電卓を
> セカイモンで落札し届くのを
> 待っている所です。
> https://education.ti.com/en-gb/products/calculators/graphing-calculators/ti-84-plus-ce-t-python
アッー、もう出ておるのですね、TIのpython電卓 !
入手できましたら、レビュー記事をアップしていただけると有り難いです。
TIのpythonだと、グラフ機能や計算機能との連携とか、気になりますネ。
> casioも既にpython電卓を出して
> いますが、是非SHARPも出して
> ほしいと思います。
Sharpも、ポケコンヤメてしまって久しく、目下、プロ電として販売するものは、
数式記憶機能の関数電卓にとどまる様子。
もう一度、こうした市場で勝負してもいいのか、とも思うのですが ... 。
コメント、多謝です !
こんにちは。
TI社のPython電卓入手で悲しいお知らせです。
落札したセカイモンからメールがあり、
今回の落札はキャンセルになりました。
理由は、輸入規制により通関出来ない為です。
航空貨物規制に該当するリチウムイオン
バッテリーが内蔵されているのが原因です。
楽しみに待っていたのに残念です。
やはり電池式の電卓の方が輸入の場合は
問題ないのですね。
Amazonでは現時点でTI社のPython電卓は
まだ取り扱っていない様です。
そもそも教育現場=学校用の電卓なので
仕方ないのかも知れません。
ではでは。
hangyodon 様
> TI社のPython電卓入手で悲しいお知らせです。
> 落札したセカイモンからメールがあり、
> 今回の落札はキャンセルになりました。
ウーン。残念であります。
> 理由は、輸入規制により通関出来ない為です。
> 航空貨物規制に該当するリチウムイオン
> バッテリーが内蔵されているのが原因です。
> やはり電池式の電卓の方が輸入の場合は
> 問題ないのですね。
個人商社でもでっち上げて、船便とかで輸入しないとアカンのかなぁ ?
> Amazonでは現時点でTI社のPython電卓は
> まだ取り扱っていない様です。
> そもそも教育現場=学校用の電卓なので
> 仕方ないのかも知れません。
Naocoさんの扱いも、未だみたいですネ。
と思ったら、アヤシゲなモノが ... 高ーい !
TI-Nspire CX II-T CAS (2019)。 - Amazon JP
https://www.amazon.co.jp/TI-Nspire-CX-II-T-CAS-%E3%80%82/dp/B07QXSLKNQ/ref=pd_sbs_17?pd_rd_w=PV8gN&pf_rd_p=98aa37b9-be8c-4afb-83e7-b68aef3d17b4&pf_rd_r=5PVQCPC77WPSPVZ6RQN8&pd_rd_r=266622e0-561f-495e-8212-1bc6de335b31&pd_rd_wg=6vmwe&pd_rd_i=B07QXSLKNQ&psc=1
(2019), なので、ニョロニョロはダメなのかなぁ ?
オソマツ !
こんにちは。
TI社のPython電卓の続報です。
Twitterフォロワーから輸入代行サービスの
アドバイスがありました。
輸入元がドイツなのでリチウムイオン電池も
対応可能なサービスを見つけました。
まずは見積もり待ちです。
今回、10社ほど探しましたが、ほとんどが
リチウムイオン電池単体、または内蔵が
アウトでした。
見積もり中の業者は、単品で最大100Whまで
OKなので、クリア出来ると思います。
さて、どうなりますか…ではでは。
hangyodon 様
電卓喫茶 様からのアドバイスですね !
お疲れ様です。
滞り無く、入手できます様 !
余り計算電卓は重宝しております。
10進数から任意の進数に変換できますから。
藤堂 様、お久しぶりです !
> 余り計算電卓は重宝しております。
仰る通りです。
この記事で触れた、専業向け「電卓シリーズ」(と勝手に呼称)は、
恐らく余り計算電卓の開発経緯が大きく影響しているのではないか、と
密かに思うのですね。
> 10進数から任意の進数に変換できますから。
あっ、そういう使い方もあるのですね ! ウマイッ !
10進数から任意の進数に変換する考え方を書いたものです。
https://nanzo.muragon.com/entry/1310.html
https://nanzo.muragon.com/entry/24.html
藤堂 様
記事、拝読致しました。
こうした、基本的な考えを丁寧に解説されると有り難いものです。
高機能電卓ばかり使っていると、基本的な考え方を疎かにしがちです。
ありがとうございます。
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