2009年3月13日金曜日

eInkが流行らないワケ ... ?

AmazonのKindleでも使われているeInkですが、なかなか普及していないようですね、特に本邦では。
2年くらい前、eInkが使われ始めた頃の話ですが、書き換えの時にだけ電気が必要とのことで、液晶よりも電力を必要としない装置に使われるとの事でした。最近は、スーパーマーケットの商品の値札に、液晶表示器が使われておりますが、いくら液晶表示器の消費電力が少ないとは言いましても、やはり表示をしている間は、若干ながらも電気を喰います。そこで、eInkを使った電子値札、という話もありました。
しかし、本邦ではなかなか普及しないようです。AmazonはKindleを出しているというのに。電卓のマニュアルもPDFになっているので、eInkを使った手頃なPDFビューワーがあると、こうした文書が手軽に見られてウレシイかな、などと考えて居りました。すると、今日になってBrotherから、まさにそうした文書ビューワーが6月にも登場するというじゃありませんか ! コリャーエエ。

「ブラザー、A4サイズ1万枚の情報を持ち歩ける薄型電子ペーパービューワー発表」
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20090312/1013103/

しかし、法人向け、業務用を想定しているのですかね、コレは。価格が「14万円」だって。Kindleだってここまでしませんよ。アーア。期待して損した。道理で、本邦でeInkの文書ビューワーが普及しない訳でした。高々、PDFを見るためだけのeInkビューワーが、1桁も違う値段になってしまうんですから。これじゃあ、スーパーの値札にも使えない訳です。いや、eInk自体はそれほど高いものではないと思うのですが、本邦のメーカーが製品にすると、何故か値段が上がってしまうのですね。何なのだろう、コレは。Brotherは、複合機にLinux向けのドライバソフトも提供するなど、結構イイ感じだったのですが、やはり慣れない事はしないほうがいいのかな。いや、法人向けなら、それはそれで結構な話なのですが。

7 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

アーアー。14万では無理して個人で買うにしても負担ですね。

eInkの機器は、私も文章閲覧用として欲しいのですが、”付加価値”の強迫観念に囚われた国内メーカーには無理だと思います。主に採算面で。その点キングジムのポメラは細々と売るつもりのようで、良くやったと思います。
書くポメラを売るなら、”読む”ポメラも開発しないのかなぁ、なんて期待してたりします。

読むだけなら電池とSDカード、それにeInkで十分ですからね。アプリもテキストビューアとPDFビューアで十分です。


>本邦のメーカーが製品にすると、何故か値段が上がってしまうのですね。

 批判したい気持ちも十分解るのですが、失敗している前例のある機器を、失敗している市場に出すことは許可されなかったんだと思います。又、様子見として十分な利益率が載せられる法人を対象にして、量産数も落として設備コストも下げたのでしょう。

今週は生産ラインの一つを撤去する作業をしました。この生産ラインでは幸之助さんとこ向けの薄型TVに関する部品を生産していて、一時期はキャパぎりぎりの受注数でした。なまじ製品図面と3Dモデルを提出しているものですから、互換品を中国に委託して、マイチェンの際にウチを切ったんだと思います。つまり、体の良い試作屋ですね。
イニシャルコストではなく生産コストダウン目的の機械ですから高かったのですが、今では粗大ゴミです。
 一時期は幸之助さんではないパの付く所にも出荷していましたが、薄型TVを辞めちゃったみたいなので、生産設備は正真正銘粗大ゴミです。
 そして、不景気にもなりましたので、今週も3連休。(昨日も休業でしたが、設備の半入出の作業で仕事でした)
一応休みですが、仕事を持ち帰ったり、日頃できないような新しい試みを実験したり、遊んでいる訳ではないのですが。

 はっきり言って、国産は高いです。ですが、その高い価格は国内の誰かの生活を支えている訳です。台湾メーカーのように全世界向けに販売でき、なおかつ中国で大量生産できる所でないと、あの安さは実現できません。

 国産PCも高くて買う気がしない、という気持ちも十分に分かるのですが、もはや高品質や付加価値では商売として勝てない時代になったのかなぁと思います。

匿名 さんのコメント...

読み返してみると、まるっきり毒吐いてますね。板汚しすみません。

akatuki さんのコメント...

AkSd様、ようこそお越し下さいました。

> アーアー。14万では無理して個人で買うにしても負担ですね。

そうなんですよ。1/10にしてくれたら良かったのに。

> eInkの機器は、私も文章閲覧用として欲しいのですが、”付加価値”の強迫観念に囚われた国内メーカーには無理だと思います。主に採算面で。その点キングジムのポメラは細々と売るつもりのようで、良くやったと思います。
> 書くポメラを売るなら、”読む”ポメラも開発しないのかなぁ、なんて期待してたりします。
> 読むだけなら電池とSDカード、それにeInkで十分ですからね。アプリもテキストビューアとPDFビューアで十分です。

Kingjimならやってくれそうな ... 。

> 批判したい気持ちも十分解るのですが、失敗している前例のある機器を、失敗している市場に出すことは許可されなかったんだと思います。

SONYのLibrieとかの事でしょうかね。あの機械も、ものは良かったのだと思うのですが、ちくまのヒゲオヤジ(オヤジの部分は、当方も人の事は言えませんが)が絡んで、単純なPDFビューワーではなくなってしまったのが惜しいところです。それで普及しなかったのではなかろうかと。

> 又、様子見として十分な利益率が載せられる法人を対象にして、量産数も落として設備コストも下げたのでしょう。

様子見というのは確かにそんな所なのでしょう。メーカーとしては、量産して売れなかった時のことを考えると、仕方のない所ではあります。

> 今週は生産ラインの一つを撤去する作業をしました。この生産ラインでは幸之助さんとこ向けの薄型TVに関する部品を生産していて、一時期はキャパぎりぎりの受注数でした。なまじ製品図面と3Dモデルを提出しているものですから、互換品を中国に委託して、マイチェンの際にウチを切ったんだと思います。つまり、体の良い試作屋ですね。
> イニシャルコストではなく生産コストダウン目的の機械ですから高かったのですが、今では粗大ゴミです。

ウーム、これはビドイですね。高級志向の製品ばかりで「Pは日本製」などと宣っておりましたが、こんなことをやっていたのですか。

> 一時期は幸之助さんではないパの付く所にも出荷していましたが、薄型TVを辞めちゃったみたいなので、生産設備は正真正銘粗大ゴミです。

もうひとつの「パ」の方は、シャーペンの元祖を作った会社が買うとかいう話がありましたが、こんな影響も出ていたのですね。

> そして、不景気にもなりましたので、今週も3連休。(昨日も休業でしたが、設備の半入出の作業で仕事でした)
> 一応休みですが、仕事を持ち帰ったり、日頃できないような新しい試みを実験したり、遊んでいる訳ではないのですが。

> はっきり言って、国産は高いです。ですが、その高い価格は国内の誰かの生活を支えている訳です。台湾メーカーのように全世界向けに販売でき、なおかつ中国で大量生産できる所でないと、あの安さは実現できません。
> 国産PCも高くて買う気がしない、という気持ちも十分に分かるのですが、もはや高品質や付加価値では商売として勝てない時代になったのかなぁと思います。

ウーム、これは耳の痛い意見、有り難う御座います。確かに、高い国産製品とは言えど、国内の需要となっているのは理解出来ます。
AkSd様も申しました様に、国内の一流メーカーは付加価値奴隷となっているので、例えばPomeraのような製品を出せなくなっているのだろうと。「こういった低価格、低機能の製品はわれわれ一流メーカーが出すものではない」といった観念があるのではないか、と思うのです。Kingjimは事務用品の会社で、製品もそれほど高いものが多くないから、こうした製品が作れたのではないかしらん。
何でも、SONYあたりは海外でYouTubeに動画をUpするためのチープなカメラを出しているという話を聞いた事があります。また、HondaのSuperCabですが、当初、自転車にエンジンをつけたのが発祥と聞きました。それが、世界に冠たるバイクとなっています。それに、Brotherは過去に「日本語タイプライター ピコワード」という製品を発売しました。これが、その後のパーソナル日本語ワープロのブームに繋がったという事もあり、Brotherには過大な期待をして、先程のような暴言(「本邦のメーカーが製品にすると、何故か値段が上がってしまうのですね。」)を吐いてしまったのです。
こうした面白くて「安い」製品を何故出せないのか、と当方は言いたかったのです。実際、景気が冷え込んでいるのに、高い製品を出しても、多くの人が買ってくれはしないのではないか、と。PomeraやミニノートPCはこうした製品だったのではないだろうかと思うんですね。

興奮して余計なことを書いてしまいましたが、AkSd様の「様子見」という所を鑑み、一般消費者向けの製品をいずれ投入するかも、と期待して待ってみようかなどと考えます。

> 読み返してみると、まるっきり毒吐いてますね。板汚しすみません。

いえいえ。当方も苛立ちからこんなことを書いておりますから。

はるまき さんのコメント...

電子ペーパービューワもいろいろあるみたいですが、私自身、1/10の値段になったとしても、今のじゃ買わないなぁ。自分が電子ペーパービューワに欲しい機能は高解像度とかデータ容量、日本語の可否とかじゃないんです。

仕事柄、文献を読みあさることが多いです。PDFファイルとしてデータベース化し、すぐ引っ張り出してPCやPDAで読んだりもします。管理はしやすいですがやっぱり不便です。

何が不便かというと、どーやっても読むには1画面1ページというところです。ディスプレイに複数ページ並べて表示したところで縮小されますし。それが見れる大きさのディスプレイは、そもそもデカくて持ち運びどころじゃないし。

以下、妄想です。

自分が欲しい電子ペーパービューワーは、お経みたいな「折り本型ディスプレイ(そんなん存在するのかな??)」を備えているものです。普段は1画面でも、複数ページをまとめて眺めたいときに、好きな数だけ開いて同じ大きさで見ることが出来る。また、複数ファイルを並べる事にも対応。

タッチスクリーンで左右になぞると、表示している全ページ、複数ファイルならファイル毎にページめくり。あとはB5~A4サイズで、200dpi程度でPDFが読めて数GB程度のSDカードが使え、携帯くらいの電池で8時間も動けば15~20万くらいでも買いたい。メーカーの好き嫌い関係なく、国産ならモアベター。カラー表示出来れば文句なし。

要望多すぎですかね(笑)

でも、現在の技術で近いものは作れそうな気がします。

しっかし、紙ってのは凄い発明ですよね。未だにこれを完全に置き換えるものが無いし。もっと利便性の高い形状のディスプレイが無いと、10年後も自分は紙の文献を読んでいると思います・・・。

akatuki さんのコメント...

はるまき様、いらっしゃーい !

> 電子ペーパービューワもいろいろあるみたいですが、私自身、1/10の値段になったとしても、今のじゃ買わないなぁ。自分が電子ペーパービューワに欲しい機能は高解像度とかデータ容量、日本語の可否とかじゃないんです。
> 仕事柄、文献を読みあさることが多いです。PDFファイルとしてデータベース化し、すぐ引っ張り出してPCやPDAで読んだりもします。管理はしやすいですがやっぱり不便です。
> 何が不便かというと、どーやっても読むには1画面1ページというところです。ディスプレイに複数ページ並べて表示したところで縮小されますし。それが見れる大きさのディスプレイは、そもそもデカくて持ち運びどころじゃないし。

確かに、文書ビューワーに求めるものは人それぞれですね。
当方、電卓のマニュアルがPDFになっていて、ページ数が半端ではないので、印刷のコストを考えるとこうした道具でササッと見られたら良いか、などと考えたのですが、多くの人に受け入れられるものとなると、結構課題も多いのかも。

> しっかし、紙ってのは凄い発明ですよね。未だにこれを完全に置き換えるものが無いし。

印刷してしまえば、バラバラでもまとめても、良いように文書を読める。これはやはり紙だからですね。確かに、今暫くは紙のお世話になりそうな。

> もっと利便性の高い形状のディスプレイが無いと、10年後も自分は紙の文献を読んでいると思います・・・。

存外、そんなものかも知れません。未だに書籍も出版されているわけですし、何といってもオフラインで見る文書は、やはり紙になってしまいます。

akira さんのコメント...

こんにちは。

はるまきさんの要望は良く分かります。
私も数多くのカタログや取扱説明書を閲覧しなければならないのですが、国語辞書程度の厚みのある取説やリファレンスも多く、非常に嵩張ります。
15年前の取説でも、閲覧できなければならないので、実験室や倉庫、デスク周り、現場にも置いてあるのですが、その都度何往復かして持ち運ぶのが大変です。最近ではWebやCD-ROMで配布されるので、自前で印刷するか¥3,000程度で買わされたりします。

 ですから多少使い辛くても電子ペーパー媒体になればラクになります。現在は丁度EeePCがそれに似た用途になってます。PDF表示だけならアイドリングのままですから5時間程度持続しますし、直ぐに畳んで移動してもHDDのような気を遣わなくて良く、本当に電子辞書感覚です。

 「紙の発明」も前提条件にあるのですが、それよりも「本の発明」が今日の紙媒体の使い勝手を良くしているのかなと思います。歴史の授業で聴きました。
 製紙技術によって木簡から紙になり、巻物が発明され、データ量に対する可搬性が向上した。そして製本技術により閲覧性と検索性が大きく向上した。と。

これに当てはめると、CRTやLCDディスプレイは未だに木簡の時代なのかなと思います。OLEDディスプレイによって、やっと”紙(柔軟性)の発明”に到達しました。でもインターフェイスは未だに”巻物(スクロール)”ですよね。”製本技術の発明”は未だ先になりそうです。

 巻物と言っても、ブックマークやタブを駆使すれば、Web閲覧に関しては便利に思います。

akatuki さんのコメント...

おばんです。

まだ、電子ドキュメントビューワーも端緒に着いた所、と考えて良いでしょうから、今の所は夢を語るのが良いのかも。

>  ですから多少使い辛くても電子ペーパー媒体になればラクになります。現在は丁度EeePCがそれに似た用途になってます。PDF表示だけならアイドリングのままですから5時間程度持続しますし、直ぐに畳んで移動してもHDDのような気を遣わなくて良く、本当に電子辞書感覚です。

これを見て思ったのですが、本格的な電子ドキュメントビューワーというのは存外、PCの発展として出てくるのかと。文書の閲覧は元より、電子辞書の機能も組み込まれ、果ては無線でwebから文書を読み込める(Kindleがやっているようですが)。カラーのeInkは、富士通が開発に成功したという話を聞いたことがありますが、その後、音沙汰がありません。いずれは出てくるのではないかと思いますが、これも「外圧」(外国で物がでてから、遅ればせながらという感じ)で出てくるのかしらん。
そういや、燃料電池も最近は静かです。電子ドキュメントビューワーの前にPCに載らないとならないでしょう。これも、アメリカがオバマ政権になったことで、外圧で出てきそうな、そんな感じもします。

では。