双曲線関数は、大抵の関数電卓に用意されておりますが、果たして、どれくらいの方が利用しているのでしょうか。当方は、余り利用した事がないので、こんな呑気な事を書いてるのですが、どうも、必要な人にとっては、やはり必要なものであるから、関数電卓のなかでも、重要な位置を占めていると思われます。
HPのサイトには、電卓のチュートリアルがPDFの形で用意されています。その中に、双曲線関数に関するものがあるので、それを見てみましょう。
この中に例題があります。一応、意訳を出しますが、誤訳の可能性もあるので、その事にお気づきの方はお知らせ戴きたく思います。では、行ってみましょうか。
問 1) 山の頂を結ぶケーブルを伝う trum (ケーブルカーの様なものでしょうか) があり、速度は v = 135 m/min、頂の間(径間)は 400 m と言います。
頂におけるケーブルの傾き角が 63 deg の場合、この trum は、頂の間をどのくらいの速度で移動するのでしょうか。
答 1)
まず、ケーブルを伝う trum という事で、この trum が移動するのは「懸垂線」と呼ばれる曲線である、と理想化します。懸垂線は、次の式で表現される式です。
x
y = a cosh ---
a
但し、
S ; 径間 (吊り下げ点の間隔)
D ; たるみ (吊り下げ点と極点の高度差)
L ; 径間の曲線長
a ; カテナリ数
t ; 吊り下げ点での曲線の傾き
この式をいじくり回すと、次の式を得ます。
S tan t
L = ----------------
arc-sinh tan t
この例の場合、S = 437、t= 63°なので、次のような計算になります。
437 tan 63
= ---------------
asinh tan 63
= 601.1129 (m)
よって、掛かる時間は
L / v = 601.1129 / 135 = 4.45269 (min.)
問 2)
径間 S = 40 ft、カテナリ数 a = 18.63 ft の懸垂線で、曲線長はどれほどでしょうか。
これを解くには、次の式を使います。
S
L = 2a sinh ----
2a
40
= 2 * 18.63 * sinh -----------
2 * 18.63
= 48.13830 (ft)
ex. 3) (これはオリジナル)
径間 S = 400 m、曲線長 L = 450 mのカテナリ数は ?
S
L = 2a sinh ----
2a
から、数値解を計算します。HP35S (ようやく出て来ました !)での、Solvreを使った作業例。
1) まず、[EQN]キーを押して、上記の式を入力します。
2) 続いて [SOLVE] [A] と押して、Solverを動かします。
3) "L?" には 480 [R/S]、"S?"には 400 [R/S] と押します。
こうして、
a = 187.8166
を得ました。
追記 on 2008/02/10
kaak様の指摘で、修正しました。
3 件のコメント:
双曲線関数はほとんど使ったことがなかったですが、このように使うんですね。
ところで分数の式の分子と分母の左のスペースが無視されて左寄せになってしまい、分数がとても見づらくなっているのですが(解読は可能です)、こちらの環境だけでしょうか。ブラウザの設定などが関係しているのでしょうか。
kaak様、有り難う御座います。
数式の部分が見にくいのは、こちらの落ち度です。申し訳ありません。早々に改善の予定です。
早速の修正ありがとうございます。
これで読みやすくなりました。
コメントを投稿