Hewlett Packard社は、最初の関数電卓「HP35」を発売して、今年で35周年になるそうで、今年はその記念モデルとして「HP35S」を夏にも発売するそうです。
http://www.calculators-hp.com/35s.html
http://www.shopping.hp.com/product/handhelds/calculators/1/storefronts/F2215AA%2523ABA
このHP35Sには、少々面白い経緯がありました。ニュースグループ「comp.sys.hp48」にある情報によりますと、最初、HPにサイトに掲示された情報が、一時的に消されていたのです。07/04あたりには消されていた情報が再度掲載されたのでした。
何でこんなことになったのか、その詳細は不明です。
http://groups.google.com/group/comp.sys.hp48/browse_thread/thread/f6c3b525e4adcca0/60f52c6854d71545?lnk=raot#60f52c6854d71545
http://groups.google.com/group/comp.sys.hp48/browse_thread/thread/c8d40528f68e0fc7/9c50d2dba9a045e7#9c50d2dba9a045e7
また、hp電卓の「国内総代理店」としてHP電卓を輸入、販売している「株式会社ジュライ」では、「HP電卓 新機種プロトタイプも展示」していた店頭販売を行っていた様です。
http://www.july.co.jp/index.php?main_page=wordpress&p=103
さて、現状ではカタログ程度しか情報が得られないのですが、そのカタログを見ますと、既に発売されているプログラム関数電卓「HP33S」とかなり近しい性能であるように思われます。
http://www.calculators-hp.com/pdf/33s.pdf
http://www.calculators-hp.com/pdf/35s.pdf
しかしながら、販売価格が少し違うのです。
HP33S $39.99
HP35S $59.99
性能も、まったく同じという訳ではなく、次の点が変更されている模様です。
33S 27個の変数レジスタ、40個の内蔵物理定数
33S 800個以上の変数レジスタ、42個の内蔵物理定数
本体のデザインも大きく変更され、33Sの奇抜なものから、HP電卓伝統のスタイルへと変更されました。この辺りは35周年モデルとして意識されたものの様です。
また、これに伴い、キーボードの配置も大きく変更されています。この辺りが電卓の機能にどのような影響があるのか、大変気になる所です。
35Sのカタログの写真には、LCDに複素数の入力と思しきものが表示されています。33Sにも複素数計算機能がありましたが、これはお世辞にも高性能とは言えないものでした。
HP電卓の基本的な機種にはRPNのスタックが4段あります(RPLを使う高性能機種は「メモリの許す限り」です)が、33Sの複素数計算機能は4段のスタックを実部と虚部で使うので、複素数計算時には2段のスタックとして機能するのです。こうなると、余り高度な計算には使えなくなります。
その昔、HPの「シリーズ10」と呼ばれる関数電卓のシリーズに「HP15C」がありました。複素数計算機能や行列計算機能までを有する機種です。この15Cでは、複素数の計算時には、複素数4段のスタックを設定しておりました。そのため、普段と同じ感覚で複素数の計算が出来たのでした。
35Sの表示画像やキーボードの「i」キーを見ると、複素数計算機能に関しては33Sに較べてかなり改良されていると期待されます。
15Cには基数計算機能(2、10、16進数などの計算機能)はなく、同じシリーズ10の「HP16C」にその機能があったのですが、33Sにはこの機能も採用されているので、35Sでも使えるものと期待されます。一方、15Cには行列計算機能があったのですが、33Sには採用されませんでした。35Sに行列計算機能を期待するのは難しそうですが、出来れば載せて欲しい機能の一つと言えそうです。
以上、35Sについての「妄想」を書いてみました。この夏を楽しみにしましょう。随時、35Sの追跡をしていく予定です。
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