2018年1月26日金曜日

店頭試用で思った

先日、量販店の店頭でfx-CG50をいじって来ました。
しかし、グラフを描く程度の操作もままならず、悔しい思いをした次第です。

近年の高機能電卓は、機能増強により、利用にあたっては、それなりの習熟が必要となっております。
予め取説PDFで使い方を見ておけば、それなりに試用できたのだと思いますが、当方もそれなりにグラフ電卓を使っていたので「ダイジョブジャーン」という軽いノリで試用し、愚かにも、崩れ去ったという所です。

また、惜しいのは、fx-CG50のカタログ、未だ店頭にありませんね。
昔は、カタログを集めて、カタログを穴が空くほど読み「ああでもない、こうでもない」などと思案して、最後「エイヤッ」とばかりに製品を購入したものですが、ポケコン、高機能電卓は、PCほどとは行かずとも、それなりに高級品だったので、いろいろと思案したものでした。

そういや、HP15Cのカタログ、計算使用例が説明されていて、店頭陳列品をその通りに操作して、カタログ通りの結果が出た事に感激したものです。
今日、そうした「ワクワクする」カタログ、お目にかかる事がありません。高機能電卓のカタログは、製品説明を行う事で、「製品に対する理解を深めてもらう」事を意図していて、それが製品の広告となっていたのでした。

藤堂様の御意見としては、マニュアルを繰るのが一仕事で、なるべくならば、マニュアルを参照せずとも、自然に、マニュアル計算からプログラミングまで簡単に進められる、そういう理想を求めているのだと思うのであります。
その場で、解を得るためマニュアルを参照せずとも自在に使いこなせるというのは、道具としての高機能電卓の理想でもあります。
しかし、機能拡充の末、高機能電卓は、すべての機能を十全に活用するとなると、最後はマニュアルを参照する場面が出てしまいます。グラフを描いたりなどの機器括り付けの機能を使うにしても、先ずは基礎的な操作を憶えておかないとならない。
機器に括り付けのヘルプ機能は、道具を単独で活用するための理想ではあるのですが、プロツール由来の高機能電卓では機器のデザインもあり、まだまだ、今日の高機能電卓には実装されそうもありません。
先頃発売された、「日本語表示関数電卓」fx-Jシリーズは、日本語表示を盛り込んで、操作しやすくしようとしたCASIOの「愛」なのですが、まだ、この域に留まっています。また、fx-JシリーズではQRコードを使い、スマートフォンで数式表示という試みもなされております。
ストレージなどのデバイスリソースの制約もあるのでしょうが、ユーザーI/F構成は、まだまだ大変なのでしょう。
ちなみに、TI-83+, HP50Gでは、アルファベット順にコマンドを一覧表示する「Catalog」機能があります。HP60Gでは、一部のコマンドの機能説明も表示できました。こうした機能ならばfx-CG50にもありますが、ドキュメントのストレージリソースが少ないからなのか、スマートデバイス用のQRコードに投げる、というのは、少々カナシイのであります。

昔のHP電卓のマニュアルは螺旋綴じで、机の上に広げてもページが閉じる事がなく、読み進める事が出来ました。内容も、最低限の操作情報しか書かれていない様なものではなく、「読み物」的で、初学者を含め、興味深く読み進められ、自然と操作に習熟していったものです。
また、基本的な使用方法の「勘所」はカタログでも知ることが出来ました。
今日では高機能化によって、読み物的な側面が少なくなり、内容も機能説明に徹する様になってしまった感があります。

そんな中でも、TI-83+のマニュアルは、読み進めながら機器の使用法に習熟する、というスタイルで書かれており、日本のTI電卓の販社・Naoco社も懸命に翻訳を行っております。残念ながら、螺旋綴じとは行きません(コスト高)が、この辺りも、並行輸入品でなく、正規代理店から購入しよう、と呼びかけたい所ではあります (ただ、並行輸入品の方が安いので、悩ましい所)。

こんな事をつらつら考えてみると、今日の高機能電卓に求められる機能としては、ヘルプ機能が自然に利用できる、そういう物なのかも知れません。
また、マニュアルとは別に、数学的、数値計算的リテラシイを涵養する「副読本」的な文献もあると、より良いのだろうか、などと考えたりもします。副読本で、先ずは操作の基礎に習熟して、更に必要に応じてマニュアルを参照する、そんな風にするのが、今日の高機能電卓のマニュアル、そしてソフトウェア、なのだろうか ?

そこで「前項の目的を達するため」、先ずは試論として「fx-CG50 店頭試用簡易マニュアル」を考えてみようと思います。以下は、fx-CG50マニュアルからの抜粋で、簡単なグラフを描く操作ですが、あんちょこ的にまとめたので、憶えやすいと思います。小さな紙片に書いておき、店頭で試用機を操作するのにも御利用下さい。もちろん、これを持って行く前に、PDF取説を良く読んでおき、実機の操作感をよく思い浮かべておくのは、言うまでもありません。

例 y = 3*x^2 のグラフを描く。

1. グラフモードを選択
 [MENU] Graph

2. グラフ領域の初期化
 [Shift] [F3]
 [F1] ([INITIAL])

3. 数式入力
 [3] [XθT] [x2] [EXE]

4. グラフ表示
 [F6] (DRAW) ( または [EXE])

9 件のコメント:

藤堂俊介 さんのコメント...

 電卓を活用しようを以前つくりました。関数電卓活用事例集などがあればいいですね。昔の関数電卓の説明書にはありました。紙媒体の場合、カードリング型にして、興味あるところだけ綴じて持ち歩く方法を思い付きました。

akatuki さんのコメント...

藤堂様、早々のコメント、有難う御座居ます !

> 電卓を活用しようを以前つくりました。

そうです、まさに、藤堂様の成果物の様なものであるのです !

> 関数電卓活用事例集などがあればいいですね。昔の関数電卓の説明書にはありました。

そうでしたね。初期のポケコンのマニュアルにも、プログラム例が付録しておりました。
後に、ポケコン「プログラム・ライブラリ」は、独立した書籍として刊行されたりしました。

> 紙媒体の場合、カードリング型にして、興味あるところだけ綴じて持ち歩く方法を思い付きました。

あつ、その手がありましたネ !
そういや、関数電卓の取説でも、手帳ケースの内側ポケットに収まるコンパクトなものがありました。
あんちょこっぽいドキュメントも有用です。

あんちょこ、って「安直」から来ているそうですが、使用方法を思い起こす為の物ならば、安直、あんちょこでも良いのですヨ、ネ。

やす (Krtyski) さんのコメント...

akatuki様
藤堂様

確かに 内蔵されたグラフ描画機能は、取説無しで操作するのは難しいですね。

英語版でよければ、CASIO WORLDWIDE EDUCATION SITE (https://edu.casio.com/) に豊富なアンチョコがあるんですけど、日本語のものは皆無という悲しい現状です。

もし私自身が、内蔵機能の使いこなしに興味があれば、片っ端から和訳しようと思うのでしょうが、残念ながらパソコンで簡単にできることが多いので、なかなか電卓でやろうという興味が持てないんです。


一方で、私の主戦場である Casio Basicプログラミングにおいては、細々と幾つかの試みを行ってはいます。

例えば、C.Basic for CG を使って fx-CG20/50 用のプログラムをアドインのような全画面表示で9行のスペースを確保して、使い方が分かるユーザーインターフェースで操作できるようにしたり、

操作が複雑で分かり易いユーザーインターフェースを諦める場合は、取り敢えず英数字(英語)でクイックマニュアルをスクロール画面で表示させ、日本語クイックマニュアルのURLをQRコードで表示したり、
http://egadget.blog.fc2.com/blog-entry-641.html、

あとは、C.Basic 自体に簡単なコマンドリファレンスやサンプルプログラム盛り込む試みを日本語表示実現と並行して進めようという話もあります。(謹賀新年と表示できるようにはなりました)

実は、純正Casio Basic とC.Basic を横断して、新たに "Casio Basicプログラミング" プロジェクトを始めています。純正とC.Basic を横断して、コマンドリファレンス、やりたいことを実現するサンプルプログラムを 基礎編と実用編 の2つの切り口で掲載するといったのを始めています。

そして、C.Basic に盛り込むサンプルプログラムやコマンドリファレンスと連携する予定です。

藤堂俊介 さんのコメント...

 スマホやMS-Excelやグラフ描画ソフトがあるからですねといわれればそれまでなんですが、グラフ電卓は小型軽量、電池長持ちですから、どこでも使えますね。
 実用から遊びまでのライブラリ(fx-603Pのような)本が出れば人気がでるのでしょうけどね。例えば、プチコンのように。
 私も電卓を活用しようの続編を考えていきましょう。

akatuki さんのコメント...

やす (Krtyski) 様、毎度の事ながら遅れております。

> 確かに 内蔵されたグラフ描画機能は、取説無しで操作するのは難しいですね。

そこは、各社の「味」(操作体系)があるので、なかなか共通していないですネ。
その「味」に痺れてしまうのが、高機能電卓との出会いであったりするのですが。

> 英語版でよければ、CASIO WORLDWIDE EDUCATION SITE (https://edu.casio.com/) に豊富なアンチョコがあるんですけど、日本語のものは皆無という悲しい現状です。

ウーム。海外向けにはあるのですね。
これからのお子さんは、英語などの外国語も一生懸命学んで、こうしたチュートリアルをバリバリと読みこなして行かないとならないのか ... 。
いや、そもそも、国内向けには「教育需要」を期待していない、という事なのか、CASIOサマ。

> もし私自身が、内蔵機能の使いこなしに興味があれば、片っ端から和訳しようと思うのでしょうが、残念ながらパソコンで簡単にできることが多いので、なかなか電卓でやろうという興味が持てないんです。

親分の場合、既に十分使いこなして居るので、こうした情報は必要ないのだと思いますが、
Newbieを受け入れるための素地として、入門的な文献などがあったら、イイのかなぁ、という思いなのであります。
店頭のカタログなどで「この製品は、こんな事が出来る」という事を訴えれば、お客は興味を持って購入するんじゃないか、と。

> 一方で、私の主戦場である Casio Basicプログラミングにおいては、細々と幾つかの試みを行ってはいます。
> 例えば、C.Basic for CG を使って fx-CG20/50 用のプログラムをアドインのような全画面表示で9行のスペースを確保して、使い方が分かるユーザーインターフェースで操作できるようにしたり、
> 操作が複雑で分かり易いユーザーインターフェースを諦める場合は、取り敢えず英数字(英語)でクイックマニュアルをスクロール画面で表示させ、日本語クイックマニュアルのURLをQRコードで表示したり、
> http://egadget.blog.fc2.com/blog-entry-641.html、

イイですね、本体だけで使いこなしが出来る様になります。

> あとは、C.Basic 自体に簡単なコマンドリファレンスやサンプルプログラム盛り込む試みを日本語表示実現と並行して進めようという話もあります。(謹賀新年と表示できるようにはなりました)

もう、そこまで進んでおりましたか !

> 実は、純正Casio Basic とC.Basic を横断して、新たに "Casio Basicプログラミング" プロジェクトを始めています。純正とC.Basic を横断して、コマンドリファレンス、やりたいことを実現するサンプルプログラムを 基礎編と実用編 の2つの切り口で掲載するといったのを始めています。

大プロジェクト、プログラミング「大統一」解説ですね、素晴らしいです !!

> そして、C.Basic に盛り込むサンプルプログラムやコマンドリファレンスと連携する予定です。

おおっ、コレは !
IDE的ですネ、これは面白いです !

akatuki さんのコメント...

藤堂 様、どうも !

> スマホやMS-Excelやグラフ描画ソフトがあるからですねといわれればそれまでなんですが、グラフ電卓は小型軽量、電池長持ちですから、どこでも使えますね。

仰る通りです。
そこで、親分様は、fx-CG50 オンラインマニュアルを構想しているのでした。
また、webで「プログラミング大統一解説」を進めようとしているのも、ユーザーの利便を考えての事であると思います。
藤堂様も、fx-CG50向けのチュートリアル、基本操作編とか、コンパクトな文書を作ってみるのは、どうでしょうか。

> 実用から遊びまでのライブラリ(fx-603Pのような)本が出れば人気がでるのでしょうけどね。例えば、プチコンのように。

プチコンは、かなり利用者が多く、プログラムが多く作成されております。
一方、「プログラミングしないと使えない」と言うか、グラフを描くといったちょっとした作業でもプログラミングに依る、という所で、利便が損なわれている様にも思うのです。
もちろん、関数電卓でもグラフを描けるものは少ないのですが、簡単な計算を行うにしても、電卓のキーを叩くよりは、少し手間がかかる様な所です。
プチコンは、プログラミングによって機能を実現するツールであり、その可能性は広大なものでありますが、同時に、基本操作がプログラミングである事で、Newbieへの「敷居」になってしまうのかも知れません。

> 私も電卓を活用しようの続編を考えていきましょう。

イイですね !
それは、プチコンやfx-CG50の基本操作、その入門的な所にフォーカスしたものが良いのかも、と思います。

藤堂俊介 さんのコメント...

 プチコンも画面のコピーがとれるようになるとのことで、説明書など作りやすくなります。
 電卓を活用しようの続編は、数学の学び直しに役立ちますから、文献を参考にして作っていきましょう。

藤堂俊介 さんのコメント...

面白いツィートを見つけました。
https://mobile.twitter.com/Myson_dol/status/955379355189886976?p=v

akatuki さんのコメント...

藤堂 様、毎度の事ながら、遅れております。

> プチコンも画面のコピーがとれるようになるとのことで、説明書など作りやすくなります。

そうですか ! スクショは捗りますネ。

> 電卓を活用しようの続編は、数学の学び直しに役立ちますから、文献を参考にして作っていきましょう。

数学の勉強、そして、その計算はどんな現場に役に立つのか、という所にフォーカスすると、興味深いものになるか、と思います。

> 面白いツィートを見つけました。
> https://mobile.twitter.com/Myson_dol/status/955379355189886976?p=v

オッ、面白いです。
小ネタになりそうで、お知らせ戴き有難う御座居ます。