比較的小さいHP35Sなので、持ち歩きには便利です。そこで、電車の中で暇つぶしを。
「光は1秒間に地球を7周半回る程の距離を進む」という話を元に、HP35Sを使って、地球の重量のおよその値を計算してみました。
これには、35SのConstatnt libraryが活躍します。
まず、地球の半径を計算してみます。地球は楕円球体と言われておりますが、ここではおよその値を求めることにして、球体であるという前提で進めます。
光の速度は、constant libraryの頭に「c」として登場します。これをスタックに呼び出して、7.5で割ります。すると、地球の周囲の長さが求まりました。それをπで割り、さらに2で割ると、地球の半径が求まります。次のような値になりました。
r = 6361793.5457 (m)
ここで、少し古い記憶を呼び出します。万有引力の公式です。重力係数をGとすると、つぎの関係がありました。
f = G * M * m / (r^2)
m は万有引力を受ける物体の質量、M は万有引力の由来となる物体の質量です。そして、r は、両物体のみなし距離でした。
この式だけではいかんともしがたいので、つぎの式を用意します。地球上における、物体の重力加速度の式です。物体にはすべからく地球由来の万有引力が作用していて、それがあるために地球の回転から振り落とされることがないのですが、そんなことはさておき、重力加速度に関する式を。
f = m * g
実に簡単な式です。質量 m の物体に力 f が加わると、加速度 g が生じるという、Newton物理学の基礎です。
これら2本の式を並べて、解釈を色々と考えてみます。地球上に、ある物体を置いた、としましょう。その物体(ボールでもブロック塀のブロックでも何でも構いません)の質量を m とした場合に、その物体が地球から受ける万有引力と、重力が釣り合っている、と考えます。すると、つぎの式を得るに至ります。
f = G * M * m / (r^2) = m * g
この時の r の解釈ですが、質点系の力学として考えると、地球の質量は地球の中心に集中した、という近似が出来るそうなので、これを採用します。すると、地球の中心と、地表にある物体との距離、すなわち、地球の半径が、2つの物質間の距離となります。
この式を整理して、地球の質量 M を求める形にすると、つぎの式が得られます。
M = r^2 * g / G
g も G も constatnt lib に入っていますから、続けて計算を行えます。
M = 5.9478 E 24 (kg)
果たして、結果はどんなものでしょうか。
続けて、地球の平均密度まで計算してみます。
球体の体積は「身の上に心配あるもの参上」で、4/3*π*r^3 でした。これから、
V = 1.0785 E 21 (m^3)
平均密度は、
d = M / V = 5514.8204 (kg / m^3)
となりました。
以上、「光は1秒間に地球を7周半回る程の距離を進む」という話から、おおよその地球の質量などを計算してみました。正確な値ではありませんが、その割りに、かなり良い値になったと思います。
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